キャストさんってコミュニケーション能力すごいから憧れる
こんにちは、かばです。
ディズニーに行くと笑顔いっぱいで明るくお話をしてくれるキャストさんばかりですよね。
実は、ホテルキャストは、パークキャストとは違って特殊なコミュニケーションをしています。
元ディズニーホテルキャストの私が、ホテルでのコミュニケーションについて解説していきます!
- パークとホテルではコミュニケーションの仕方が違う?
- ホテルキャストにとってディズニーの夢を提供することは?
- コミュニケーションで一番たいせつなことは何か?
ホテルとパークで異なるコミュニケーション
パークはとにかくエンターテイメント!
と、書くと語弊があるかと思うので補足しますが、ディズニーの業務はとにかく業務フロー(手順)がしっかりと決まっています。
特にマニュアルがあるというわけではないのですが、トレーニング期間に全て叩き込まれます。
パークにおいても、アトラクション、ショーやパレードのゲストコントロール(ゲスコン)、レストランなど、幅広く多数のキャストが在籍しており、それぞれに業務フローが異なります。
仮に、キャストが自分の考えや持ち味を出して、勝手にゲストにサービスを提供してしまったらどうでしょう?
ゲストからすると、得をする人や損をする人が出てきてしまいますね。
ディズニーでは、パークに入ると芸能人や有名人でも他のゲストと平等に扱うことを徹底しています。
なので、キャストによって業務フローが異なる、ということはあってはならないことです。
パークでは、ゲストの安全を最優先に考え、その上で目の前のゲストを最大限に喜ばせるコミュニケーションを提供しています。
ホテルはディズニーの世界にある自分の家
パークと異なり、ホテルでは少し考え方が異なります。
ホテルは、パークとは異なりアトラクションもショーやパレードもありません。
ゲストがホテルですることと言えば、食事をし、お風呂に入り、歯を磨いて、ベッドで寝ることです。
自宅で普段やっていることと変わりませんよね?
ホテルは、ディズニーの世界に居続けながらも生活の延長を提供する場なのです。
ゲストからの質問も、パークでは「ミッキーにどこで会えますか?」ですが、ホテルでは「喫煙所はどこですか?」となります。
ちなみに、ディズニーホテルでミッキーたちに会える場所は、ディズニーアンバサダーホテルのシェフ・ミッキーというレストランのみになっています。
ホテルキャストが気をつけているのは、一般のビジネスホテルなどのようなビジネスライクな会話をしなければならない一方で、ディズニーの世界観を損ねないということです。
そもそもホテル業務は超激務
私がいたフロント(レセプション)では、チェックイン・アウト、レストラン予約、宿泊費の会計、レジ締め、物品の手配、クレーム処理、宿泊予約の受付・確認など、業務は多岐に渡ります。
500室以上ある部屋は年中ほとんどが満室になるので、チェックイン・アウト業務だけでもすごい量です。
これらをゲストとコミュニケーションを取りながら手もとの端末に入力していくわけですが、手もとに集中しすぎてしまうと、目の前のゲストとのやりとりが疎かになってしまいます。
キャンペーンやイベントも多く、それらのアナウンスもしながら、通常スピールも行い、ゲストの要望や変わった点(例えば、誕生日シールを貼っているなど)に気付いていくわけです。
1回のチェックインで「ディズニー」という単語を20回ぐらい使うので、勤務時間の最後は舌が回らなくて「デズニー」と言ってしまいます
また、日本人ゲストは希望があっても自分から主張をなかなかしないので、観察してこちらから要望を引き出していかなければいけません。
そして聞き出した要望は、ホテルの各ロケーション(ゲストサービス、ハウスキーピング、レストランなど)に手配をするのもフロント(レセプション)の業務となります。
まずはしっかり観察をし、ゲストの隠れた要望をイメージして、そして適切な提案をすることが大切ですね。
エンターテイメント性よりも事故のないアナウンスを
ディズニーホテルというと華やかな現場のように聞こえますが、実際にはゲストはパークほどホテルにエンターテイメントを求めては来ません。
というのも、ゲストの主目的はパークであってホテルは副次的に見ている人が多いからです。
朝から夜までパークで楽しんで、十分満足してからホテルに戻ってきます。
ゲストは疲れ切っているわけですから、ホテルのチェックインなどのやり取りは最小限にしたいと考えています。
ところが、ホテルでのやり取りは宿泊費やホテルの施設の案内、レストランの予約確認など、宿泊期間の生活に関わる重要なものばかりなので、どれ一つとして省くことができません。
また、ディズニーホテルのシステムはパークのサービスと連携していることもあり、複雑なアナウンスになってしまいがちです。
そういうことも考慮して、フロント(レセプション)では、シンプルで誤解の生じないようなアナウンスを短時間で済ませるということが求められるわけです。
それ以外にも、外国人ゲストが多く来館するので、最低限の英語でのやり取りも覚えないといけません。
最近は特に中国系のゲストが多く、英語も喋られない人も多いので、中国語用の指差し用コミュニケーションブックが置いてあったりしますが、多くの場合はスマホの翻訳アプリを使われることが多いです。
やはり、ホテル利用料はパークよりも高くなるので、価格にふさわしいサービスを提供することが求められます。
そのクオリティを担保しながら、ディズニーの世界観を可能な限り維持することがホテルのコミュニケーションとなります。
日常と夢の狭間の世界
1日500室ものチェックイン・アウトがあるということは、約1200人程度のゲストが来館することになります。
キャストの人的リソースも限られていますし、チェックイン・アウトの時間はゲストが集中し大行列ができてしまうので、1組にかけられる時間は限られています。
そのような時間を避けてチェックイン・アウトに来られれば、ある程度ゆっくりとコミュニケーションを取ることも可能ではあります。
ただ、それも他のゲストを待たせるようなことがあってはならないし、他のキャストにばかり業務を負担させることも避けなければなりません。
また、誤ったアナウンスをしたり、勘違いを招いた表現を使ったりした場合には、ゲストからクレームを受けたりその場でお叱りを受けることもあります。
ゲストからすると、「高い料金を払っているんだからちゃんとやってくれ!」と言いたくなりますよね。
ホテルキャストはそのような緊張感ある現場でも、やはりディズニーの世界観が好きでキャストになったという人が多くいます。
ゲストには、パークの世界観を維持して熱を冷めさせないよう明日まで繋ぎ、またそのままの熱量でパークに遊びに行ってもらい、思い出を作ってきてほしいと思っています。
生活感あるホテル滞在ではありますが、少しでもディズニーの世界観を維持できるように、ホテルキャストはエンターテイメント性あるキャストであるよう自己演出していくのです。
ホテルキャストといえどディズニーキャストには変わりない
パークとホテルで共通すること
ディズニーキャストのお決まりのセリフと言えば、「いってらっしゃい!」ですよね。
また、キャストは「いらっしゃいませ」とは言わず、「こんにちは!」「こんばんは!」で出迎えます。
ホテルキャストもディズニーキャストである以上、挨拶はパークキャストと変わりません。
ちなみに「いらっしゃいませ」と言わないのは、お店ではないというコンセプトだからです。
その他にも、ゲストから写真を撮ってほしいと言われても「はい、チーズ!」とは言わずに、「はい!3、2、1!」という感じでカウントダウンをします。
ディズニーに来たゲストは足もとよりも遠くの方を眺めていることがよくありますが、キャストがしゃがんだりすると躓いて転倒することもあることから、身を低くするのは禁止されています。
ディズニーでは、パークもホテルも、新人キャストは最初の数日を同じ研修を受けることになりますので、ゲストの安全に関わる行動は統一されています。
また、一般的にもかなり知られるようになってきていることですが、ディズニールックも共通です。
例えば、男性でいえば、髪は黒髪・耳眉襟足にかからない短髪・パーマ等もダメと決まっています。
アクセサリも基本的にはダメ(結婚指輪のみOK)で、ネックレスやピアスも付けられません。
コスチュームに関しても、当然着崩してはいけません。
とはいえ、暑がりの私はバックステージに戻った瞬間にネクタイ緩めてましたw
何より大切なのは相手を思う心であること
ディズニーに来るゲストは多くの人が何かしらの理由を持って来ます。
特に、値が張るホテルに宿泊するゲストは、ほとんど場合で何かしらの記念日だったりします。
ホテルキャストが目を配るのは、自らは何も主張せず、ささやかに自分たちでお祝いをしようとやってくるゲストの表情です。
例えば、
- 夫婦であれば、奥さんの笑顔
- カップルであれば、彼女さんの笑顔
- 家族連れであれば、お子さんの笑顔
- 友達同士であれば、全員の笑顔
- 結婚式の参列者であれば、ご家族の笑顔
です。
私は、ゲストから何も言わなくても「何か特別なお祝いがありそうだ」と感じたときには、こちらから声をかけていました。
これは実際に私がやったことですが、日常茶飯事でホテルキャストはこのように対応しています。
キャストの業務にはマニュアルはありませんし、教えられることも必要最小限の業務フローに関してのみです。
しかし、ほとんどのキャストがゲストに喜んでもらいたいという気持ちで、このように動いています。
キャストの仕事は厳しく辛いものも多くあります。
ですが、不思議なことに、多くのキャストはゲストに喜んでもらいたいという気持ちだけは忘れず、ゲストを観察し、喜んでもらえるようサポートできないかと考えています。
ディズニーで、パークでもホテルでも共通するコミュニケーションは、「相手を思いやる心」です。
まとめ
今回は、ディズニーホテルのコミュニケーションについて解説しました。
結局のところ、ゲストに何をGiveしてあげられるか、どうすればゲストが喜んでくれるのか、そしてゲストが喜んだ顔を見て自分もハッピーになりたい、という願望がディズニーのコミュニケーションの根底にあります。
ちなみに、当然のことですが、キャストも人間なのでめちゃくちゃ傲慢だったり無礼な人に対しては、相応のコミュニケーションしか取らなくなります。
私も「パークは楽しまれましたか?」と聞くと「うるさい!無駄口叩いてないでとっとと手続きしろや!」とゲストに言われ、そのままアナウンスも何も伝えずカードキーだけ渡して流したこともありました。
だからこそ、礼儀正しく笑顔で楽しくコミュニケーションを取ってくれるゲストには、少しでも楽しんで帰ってもらいたいと思っていたものです。
ディズニーを超えて、人として気持ちの良いコミュニケーションを取っていきましょう!
ではまた!
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