小学校のころから「ちゃんとお話し合いしましょうね」と言われた方も多いと思います。
家族と話をしたり、仕事でお客さんと話したり会議をしたり、とにかく私たちが社会生活を送っていく中で絶対に外せないのが「話をする」ことです。
「人間なんだから当然だろう」と思われるかもしれませんが、本当に話ができているのでしょうか?
話はただの情報伝達だけではなく、互いの言い分や意見の趣旨を読み取って、自分の意見とのすり合わせの作業が必要不可欠なのです。

話してると「一体なんの話?!」と思うことがよくある

主語や述語、5W1Hが無いって人多いよな
会話のキャッチボールとは言いますが、ピンポン玉(風に流されて相手に届かない)とボーリング玉(重すぎて相手に届かない)で投げ合ってて、キャッチボールどころか会話にすらならならない人も多いです。
また、人と話すときに、「感情で話す人」「話が脱線して論点がズレる人」「時系列が前後しすぎる人」というように、行きあたりばったりで思いついたことを口に出す人も多く見受けられます。
私たち夫婦は、友人夫婦から「二人は全然ケンカしないよね。うちはすぐケンカになって困る」と相談を受けたことがありました。

言われてみるとケンカになったことはないね

意見の相違自体はよくあるけどね
今回は、私たち夫婦がどのように意見や価値観の相違を乗り越えて、ストレスフリーな生活を送っているか掘り下げて行こうと思います。
そもそも、話し合いができるタイプだった?
というわけではありません。
私は、学生時代まで体育会系で過ごしてきていたこともあり、「ノリと勢いで何とかなる!話し合いなんかしなくてもゴリ押しでわかりあえばいいじゃない!」というタイプでした(体育会系をディスってはいません)
そもそも、主張をハッキリ言うタイプだったし、頑固でもあったので、「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い」と、基本的には好き嫌いで判断する子どもでした。
中高時代には、仲が良かった友人ともこれで絶縁となりましたし、当時付き合っていた彼女とも愛想を尽かされるなどの憂き目にも遭っていました。
また、気分屋でもあったので、機嫌が悪くなると物や人に当たることもしばしばあり、それを正論で諌められると感情むき出しにキレるタイプでもありました。
脳が熱暴走するほどに圧倒的論理で叩きのめされた大学院時代
手前味噌ではありますが、私は大して勉強をしなくてもそれなりの成績を出すこともできましたし、何なら大学もほぼノー勉強で合格、単位も落とすことなくストレートに卒業しました。
勉強をナメきったまま「ちょっと弁護士にでもなって楽に稼ぎたい」と思いつき、大学院(いわゆるロースクール)を受験、これもあっさり合格してしまいました。
が、入学直後から授業ではボコボコにされ、教授からも学生からも完璧な論理攻めを受けました。
「ちゃんと理論立てて話をしないと目も合わせてくれない」
説得的に話をするためにはどういうことかを考えたところ、
- 何らかの主張(仮説や意見)を提示する
- その主張を裏付ける理由(なぜそのように考えたのか)を説明する(感情論は入れない)
- 理由を裏付ける根拠を示す(法律論では条文や判例、その他証拠など)
- 1に対応する結論を出す
という流れを絶対に守る必要がありました。
どれか一つでも省略したり、考慮できていない事柄が存在すると必ず突っ込まれます。
話したい内容の端緒は感情から入っているわけですが、その感情を他人に理解させたい場合には、それだけの時間と労力を使って理論を完成させないといけないわけです。
結婚後・・・
経験された方もたくさんいるかと思いますが、結婚をする過程では実は揉め事がすごく多いのです。
夫婦間、家族間で揉める原因となるのは、
- 結婚式関連(日程、場所、費用、招待客等)
- 結婚生活の場所や費用(実家との距離感や住居の規模感)
- 生活費や仕事(どのようにお金を使い、貯めるのか)
- 子どもや今後のこと(産むのか産まないのか、教育費等)
が多いのではないでしょうか。
わが家でも、結婚式は不要とする妻に対し、私は結婚式は必要だと主張しましたし、あまり働くことに意欲的ではなかった妻に対して、私は実家の会社の仕事を手伝ってもらいたいと主張しました。
私は大阪で経営者一族として生まれ育った一方で、妻は新潟の兼業農家に生まれ育ったわけですから、そもそも何から何まで価値観や考え方が異なるのは当然なのです。
だから、これら価値観や考え方の相違を「一方の押し付けではなくすり合わせ」が必要でした。
上記のような価値観や考え方の相違を解消するすり合わせの方法は、実は難しいことはありません。
- 自分の考えのメリットとデメリットを正直に提示(嘘やごまかし、感情論は完全に排除します)
- 相手の考えのメリットとデメリットを受け取る(ここでも感情的になってはいけません)
- 双方の意見の趣旨を汲み取った上で、メリットが最大化、デメリットが最小化する方法を考える
- 双方が納得する結論を出し、方針を固める
「そんなこと言ったって、感情的になってしまう!」という人はいるでしょう。
そもそも「なぜ感情的になってしまうか」、というところを考えてみる必要があります。
- 意志が弱いと思われる
- 感情をコントロールする余裕がなくなっている
- 意見を受け入れるとナメられる
- なんでか自分でもよくわからない
他にも理由はあるかもしれませんが、いずれも「取るに足りない」ものばかりです。
大切な人との人間関係において、最も重要視するべきはお互いがWinWinの結論を導き出し、利益を共有して喜びを分かち合うことではないでしょうか。
まとめ
人の信頼は、長年かけて築き上げたとしても、破壊するのは一瞬です。
家族であっても、信頼を失い、愛想を尽かされて逃げられてしまうことはよくあります。
「家族だから言わなくても大丈夫!家族は裏切らない!」は甘え!
本当にどうでもいいと思っている人間関係で、意見や価値観がぶつかり合うでしょうか。
意見や価値観をぶつけ合うという作業って、実はすごく精神的にも肉体的にも労力を使うものです。
自分たちの人間関係を真に思いやってるからこそ、お互いが意見や価値観をぶつけ合うのだと思います。
その意味でも、お互いがハッピーになる最高の対話をしないともったいないと思います。
対話をした結果、自分が望んでる以上の結果が待っているのであれば、それが最もハッピーだと思いませんか?
今回は、私の経験や考えが多分に含まれている記事となりましたが、皆さんのお役に立つことがあれば幸いです。
ではまた!
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