こんにちは、かばです。
つみたてNISAの普及で、証券口座の新規開設が多くなっていますね。
若い世代にも株式投資が広がり、資産形成が進んでいくのはいいことです。
株式投資を動画やブログ、本などで勉強していくうちに、
- 下がると分かってる期間に株を保有し続ける意味はあるの?
- もっと短期間で売り買いすれば上がり幅を取れるんじゃない?
- いっそのこと毎日売り買いすればより儲かるのでは?
こういった考えが浮かんでくるかとおもいます。
今回は、株式投資を真剣に勉強していくうちに初心者が直面する、これらの疑問に答えていきます。


デイトレードとは
デイトレードとは、金融商品の売買を1日で完結させる取引スタイルのことです。その日の終わりにはポジションを閉じ、次の日に新しい取引を開始します。デイトレーダーたちは、複数のアセット(株式、債券、商品、不動産など)を同じ日に売買し、市場の小さな動きから利益を得ようとします。また、これを同じ日に繰り返すこともあります。
引用元:IG証券
1日のうちに株式売買を完結させてしまうことをデイトレードというわけですが、ほとんどの場合は市場が開いてから2時間程度でその日の売買は終了してしまいます。
なぜなら、株式売買がもっとも盛んに行われるのが、開場から2時間までだからです。
値幅を取らないといけないので、値動きが小さくなる昼ごろからは積極的に取引に向かうことはしない人が多いです。
デイトレードの具体的な流れ
日本の銘柄を使ったデイトレードの方法を紹介します。
大きくみて、以下の流れでデイトレードを行います。
- 朝8時ごろには、銘柄選定も含めて準備を済ませておく。
- 9時に東京証券取引所が開場となり、買い注文を一気に確定させていく。
- 目標金額に達した銘柄から順に売り注文を確定させる。
- 11時までにほとんどの保有株式を売っていく(含み損があるものは損切り)
- 基本的には、翌日に持ち越さない
デイトレードで得られる利益は、どれだけ資金を使えるのかで大きく変わってきます。
まとまった金額を使えない人の場合、現物買いをしても大した利益を得ることはできません。
現物買いとは、通常、株式や債券などの有価証券の取引は、その時々の市場の時価で計算した売買代金を受け渡すこと
引用元:SMBC日興証券
その場合、信用取引を行う人も多くいます。
信用取引とは、一定の保証金(委託保証金)を証券会社に担保として預け、保証金の数倍の金額の株式取引ができる制度
引用元:SMBC日興証券
たとえば、手もとに100万円がある場合には、この100万円を担保に証券会社から300万を借り、これを使って株式を購入することができます。
300万円分の取引ができるので、1%の値幅でも3倍の利益を上げることができるようになるのです。
しかし、損失がでた場合にも3倍の損失になってしまいますので、1%の損失でも3万円を失うことになります。
なお、株式投資での信用取引は約3.3倍までの制限がかけられていますが、FXでは25倍となっておりリスクが大きくなっています。
このように、信用取引をすることで小さい元手でも大きく値幅を取ることを「レバレッジ」と呼びます。
レバレッジをかけることで、デイトレードでも大きな値幅を取ることができるのです。
1日の小さな値動きだけでは大きな利益を生めない
レバレッジをかけたとしても、1日の値動きが0.1%などのようにほとんど動かない銘柄は対象となりません。
300万円で株式を買ったとしても、0.1%では3000円にしかなりませんからね。
基本的には、1日の間に最低でも1%以上動く銘柄を選定します。
大きな値動きをする銘柄というのは、多くの人が売り買いしているということです。
したがって、業績が良かったり、逆に悪くて売りが多く出ていたりするわけです。
しかし、デイトレードをする場合には、会社の業績の良し悪しはほとんど関係ありません。
また、個別銘柄だけでなくETF(指数連動やテーマ型など)も対象となります。
銘柄選定をしたら、いつ買うのかを検討します。
- 順張り:右肩上がりの銘柄を値が下がったタイミングで買う
- 逆張り:右肩下がりの銘柄を値が大きく下がったタイミングで買う(リバウンド狙い)
順張りは、大きな流れに乗るように買うわけですが、高値掴みさえしなければ利益は取りやすいです。
逆張りは、リバウンド狙いになりますので、大きく下がったタイミングで買えれば利益を取ることができます。
ただし、いずれの場合も底値を掴むことは不可能ですし、さらに下落した上でほとんど値上がりしないということもあります。
デイトレードをおすすめしない理由
デイトレードをおすすめしない理由は、以下の3点です。
- 安定して稼ぐことができない(もしくは経験が必要)
- 資産所得ではなく労働所得になってしまう
- 長い目で見たときにはインデックス投資に負ける
安定して稼ぐことができない(もしくは経験が必要)
デイトレードは、ザラバ(取引市場)の空気感やチャートの読み解き(テクニカル)が重要になります。
知識を得ればある程度はチャートを読み解き、今後の展開を予想することはできます。
しかし、想定外のできごとに対して、冷静かつ迅速に対応するには最終的に「経験や勘」も重要となります。
チャートを読み解き、今後の値動きを予想したとしても、企業実績(ファンダメンタル)が悪ければ思ったとおりには動きません。
企業の情報をしっかり集めたとしても、当然ながらすべてを網羅することはできないわけです。
予想外の値動きはしますし、場合によっては「ダマシ」ということもあります。
ダマシとは、チャート上に現れる「売買サインのように見えるが、実際はそうではないポイント」のことを指します。多くの投資家が参考にし、売買を行うようなサインは数多くチャートに出現しますが、そのチャートの形を見て売買を行ったところ、実際にはその思惑と真逆の動きをしてしまうようなポイントがダマシです。
引用元:モトリーフール
「テクニカル分析はこのあと値上がりを示していたから下がるわけがない」と、損切りタイミングを逃してしまうと大損を出してしまいます。
それも含めて、最終的には経験が重要になってくるわけです。
しかし経験を積んだとしても、株価の将来を当てることができません。
最終的には運要素が結果に大きく左右しますから、安定して利益を得ることは難しいのです。
資産所得ではなく労働所得になってしまう
デイトレードは、事前の準備が重要になってきます。
上でも説明したように、
- どの銘柄を買うか
- いつのタイミングで買うか
- 出口戦略(どのように売るのか)
が重要になります。
そもそも、銘柄の選定からして、膨大な数の銘柄情報とテクニカル分析(場合によってはファンダメンタル分析)を行わないといけません。
そして、何よりも東京証券取引所が開いている時間は、基本的にパソコンの前に座っている必要があります。
私の場合、
- 5:00:起床&朝食
- 6:00:銘柄選定(分析)
- 8:00:海外市況の結果を確認
- 9:00:取引開始
- 15:00:取引終了
というような感じでした。
取引時間は短時間でも、翌日の準備や情報収集なども含めて1日10時間ほど実働していたと思います。
このような状況では、株式投資というよりは「トレーダー業」という労働になってしまいます。
長い目で見たときにはインデックス投資に負ける
世界最大の指数提供会社であるS&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズの2016年の調査によると、米国株式クラスのアクティブファンドのインデックスに対する勝率は、1年で15%、5年で8%、10年で15%しかなく、全期間をとおして10〜15%の勝率しかありません(日本経済新聞2016年9月16日号記事より)。
引用元:ダ・ヴィンチニュース
アクティブファンドがインデックスファンドに、長い目で見た時にほとんど勝てないというデータを一度は目にしたことがあると思います。
デイトレードというのは、日々の売り買いで利益を積み上げていく手法なので、アクティブファンドと同じ状態ですよね。
実際のアクティブファンドは、プロのトレーダーが持てる知識や技術、経験をすべて発揮してトレードを行っているわけです。
しかし、世界中でみても、ほとんどのアクティブファンドはインデックスファンドに負けてしまう。
それほどに、株価を予想するのは不可能だということです。
また、先ほども説明しましたが、デイトレードは自分自身という「人的資本(人件費)」を消費するわけです。
そうなってくると、資産運用でもっとも効率がいいのは、
- 資産(お金)は、インデックスファンドに任せて自動的に増やしてもらう
- 自分自身は、事業や労働で働いて外からお金を集めてくる
という状態だということに気づきます。
もっとも、自分自身の人件費を計算にいれても、デイトレードでしっかり利益を出せる人もいます。
しかし、そのような人はごく一部ですし再現性も低いので、一般論として考えることはできません。
番外編:デイトレードをする唯一のメリット
デイトレードでは、投資初心者がもっとも疑問に思うポイントである「株式売買の流れ」を知ることができます。
- 銀行口座のお金を証券口座に移動させる
- 証券口座のお金を使って実際に株式を購入する
- 株価を追って含み益(または含み損)が出たら売却して確定
この一連の流れや手続きを自分で行うことで、抽象的だった勉強の知識を具体化することができます。
証券会社によっては、アプリなどでシミュレーションをすることもできます。
しかし、株価は現実世界とリンクしていますので、シミュレーションだけでは分からない部分もあります。
新型コロナで緊急事態宣言の報道が出た直後、株式市場がリアルタイムでどのような反応をしたかは、実際の取引をしていないと分かりません。
そういう点でも、デイトレードという形で株式市場に身をおいてみるということは、価値のある経験になるかと思います。
ただし、信用取引をしたり多額ではじめてしまうと資産を減らすリスクを負うことになります。
日本の株式取引では、単元株ごとにしか購入できませんが、最近ではSBIネオモバイル証券やLINE証券など単元未満株でも購入できます。
単元株とは、通常の株式取引で売買される売買単位のことです。単元は、ある一定のルールをクリアすれば企業が自由に決めることができるので、1単元の株数は銘柄によって異なりますが、1株、100株、1,000株が一般的です。
引用元:SMBC日興証券
通常の株式取引では、この売買単位の整数倍で取引が行われます。例えば1単元が100株の場合、売買は100株、200株、300株…と100株単位で行われ、150株など単元の整数倍以外の株数での取引は行うことはできません。
リアルタイムで購入できないというデメリットはありますが、少額から始めるには役に立ちます。
また、米国株式の場合は、単元株という制度がないのですべて1株から買えます。
▼1株から買える証券会社▼
LINE証券
SBIネオモバイル証券
長期投資以外の短期売買も使いたい場合
デイトレードのような超短期の取引ではなく、仕事をしながら短期売買もやっていきたいという場合にはスイングトレードをしてみましょう。
スイングトレードとは
スイングトレードとは、投資対象の株式銘柄を数日から数週間単位で次々と乗り換えていく投機手法です。
引用元:トレダビ
おおよそ、2~4週間程度での売買となりますが、長くて2ヶ月保有しても構いません。
先ほど説明した「ダマシ」もスイングトレードになってくると頻度も減りますし、初心者でも勝率はあがってきます。
ただし、あくまで自分自身は仕事をしながらの取引になりますので、ザラバ外での売買発注となり思ったとおりの取引ができない場合もあります。
レバレッジETF商品を買うのも視野に入る
通常の信用取引で、数倍のレバレッジをかけるのは「借金をしてギャンブルをする」のと同じ意味になってきますので、避けなければなりません。
スイングトレードでも同じことはいえますので、信用取引は避けるべきです。
ここで注目したいのが、レバレッジのかかったETFです。
インデックス型であれば、指数に連動するETFを購入し通常の2~3倍の値幅で取引することができます。
レバレッジETFのデメリットは、「逓減リスク」です。
逓減リスクとは、相場の方向感が定まらず、原指標が上昇や下落を相互に繰り返した場合、レバレッジ型指標は複利効果によって、原指標と比較してパフォーマンスが逓減して行くという特性です。
例えば、以下のような場合に逓減リスクがあらわれます。
[実際の指数の値動き]
- 100ドルから10%値上がり→100ドル×1.1倍=110ドル
- 110ドルから20%値下がり→110ドル×0.8倍=88ドル
- 88ドルから13.6%値上がり→88ドル×1.136倍=100ドル
[レバレッジ2倍指数の値動き]
- 100ドルから20%値上がり→100ドル×1.2倍=120ドル
- 120ドルから40%値下がり→120ドル×0.6倍=72ドル
- 72ドルから27.2%値上がり→72ドル×1.272倍=91.58ドル
この値動きは、長期間持てば持つほどリスクが上がってしまいます。
したがって、長期運用には向いていませんがスイングトレードのように、ある程度の短期間で持つ場合には大きな値幅を取ることができるので有効です。
私が短期運用を行うならどうするか?
当然ながらデイトレードはしません。
- 期間:2週間~3ヶ月の幅で運用
- 銘柄:レバレッジETF(ただし米国指標に連動)
このような形でなら十分視野に入るかと思います。
実際にはやっていませんので、具体的にどの銘柄がいいのかと聞かれても分かりません。
なお、投資信託でのレバレッジ商品もありますが、個人的にはおすすめしません。
なぜなら、レバレッジ型の投資信託は通常のものより大幅に信託手数料が高くなるからです。
短期間の保有であれば問題はないかもしれませんが、長期間の資産形成には向いていないと思います。
まとめ:デイトレードはやってはいけない!
デイトレードをおすすめしない理由は、以下の通りです。
- 安定して稼ぐことができない(もしくは経験が必要)
- 資産所得ではなく労働所得になってしまう
- 長い目で見たときにはインデックス投資に負ける
ただし、デイトレードは株式投資に必要な手続きや流れを学ぶこともできるので、少額でやってみるのは勉強になります。
デイトレードはおすすめしない代わりに、数週間のスイングトレードなら正しいやり方でやってもいいのかなと思います。
その場合には、米国指標に連動するレバレッジETFがおすすめです。
株式投資は、インデックスファンドの長期運用だけが正解ではありません(最適解だとは思いますが)
色々なやり方を学んで、株式投資の奥深さを学んでもらえたらいいなと思います。
ではまた!
▼1株から買える証券会社▼
LINE証券
SBIネオモバイル証券
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