- 最近、日本の株式が好調なのでインデックス投資を考えている
- バブル崩壊後、長年に渡って景気低迷しているが、日本株に投資しても大丈夫だろうか?
- 日本の企業には頑張ってほしいので、応援の意味も込めて少しでも日本株に投資したい
こんにちは、かばです。
今回は、このように考えている人向けに記事を書いていこうと思います。
結論から言うと、私はインデックス投資をおすすめしていますが、日本のインデックス投資はおすすめしません。
その理由は、
- 日本株のパフォーマンスの悪さ
- 日本企業の見通しの悪さ
が考えられるからです。
また、政権交代があるごとに金融政策が大きく転換する場合があるので、経済の方向性が安定しないことも不安材料です。
今回の記事は、私が日本のインデックス投資を行わない&おすすめしない理由を解説していきます。
日本の株式はバブル時の高値を回復できていない
以下のチャートは、日経平均株価をバブル相場から現在までのものを表したものです。
左側にある高値が、バブル時最高値の1989年12月のものです。
見て分かる通り、現在に至るまでバブル時の株価を回復できていません。
これは、日経平均株価だけでなく、TOPIXでも同じようにバブル時を超えられていません。
チャートの形としても「鍋底型」という形状になっており、バブル時の高値を超えない限り、この間を上下するボックス相場が続いてしまいます。
このように、まずはなんと言っても日本株のパフォーマンスの悪さが投資対象としづらい要因であるといえます。
私はそれ以外にも、日本株が米国株の影響を常に受け続けることも好きではありません。日本株は米国株が上がれば少し上がり、下がれば大きく下がるという動きを続けています。…最初から米国株でいいですよね?
日本経済は将来的に発展途上国化してしまう
物価が安い=外国のターゲット
日本の物価は昭和からほとんど変動しておらず、世界的には「安い国」と思われています。
現に、海外からの観光客が多いのは、日本が「遠くて安い」という理由だからだそうです。
物価が安いというのは、言い換えれば「物の単価が安い」ということであり、企業収益に大きく影響します。
なぜ日本は物価が安いのかというと、日本国民が「安い=正義」という価値判断基準を持っているからであると考えられます。
消費者目線から見れば、確かに「お値段以上の価値」というのは大事な価値判断基準だと思います。
優秀な人材を買い叩かれる
しかし、物価が安いということは、労働者の給料が安いということでもあります。
そうであるにも関わらず、「お値段以上の価値」を提供しなければいけないということは、労働者としても給料以上の価値を企業や顧客に提供しなければならないことを意味します。
このように日本人は、世界から見れば「価格以上の価値をもたらす人材」と判断され、日本企業より好条件で買われてしまいます。
労働力を海外企業に買い集められた結果、日本の優秀な労働者は海外企業に持っていかれることは容易に予想できます。
そうすると、優秀な人材が残っていない日本企業は、海外企業と競争ができず海外企業の下請けとしてしか生きていく道はなくなります。
日本企業に投資する価値がないと思う理由
日本企業は海外での競争力を付けられない
日本企業はかつて有していた海外での競争力を完全に失っています。
その理由としては、
- 優秀な人材を海外の企業に奪われた
- 人材教育に投資しない
- 日本国民が高物価を受け入れない
というのが主な要因でしょう。
労働者が高額な給料を提示されれば、そちらに流れるのが人情というものです。
さらにそれが、技術や知識を身に付けるための教育を惜しまない企業であればなおさらです。
それに対して日本企業は、国民が「安い=正義」と価値判断する以上、高単価な仕事をすることができないですし、それに伴い高単価な給料を提供することも困難です。
その結果、日本企業は薄利多売な事業を繰り返すしかなく、海外企業と渡り合えるだけの競争力は失われたままとなっています。
日本企業は株主の利益を最大化しようとしない
しかし、そんな日本企業でもかつては株主利益を最優先しようとしすぎたあまり、公害などを発生させ社会問題を多く生んだという経緯があります。
現在の日本企業は、株主利益を追求するよりも社会利益を優先し、従業員への給与還元や地域社会への貢献を求められています。
株主還元の意識が低いことが現れているのが、企業の連続増配記録を見ても明らかです。
確かに、社会貢献することは悪いことではないし、株主還元を優先しないことも会社の方針として間違っているわけではありません。
しかし、私たちが投資をしようとする場合には、そのような企業を敢えて選ぶ必要はないでしょう。
日本の株式指数が将来的に値上がりするのかは不明
仮に、日本企業が優秀な人材を確保・教育を施し、多くの利益を上げることができたとします。
それでも、米国企業と対抗しうるだけの競争力を得られるかどうかは怪しいと考えています。
しかも、それが一企業だけでなく国内企業の多くが国際競争力を持とうと思うなら、現実的には困難と言わざるを得ません。
さらに、日本企業の多くが国際競争力を獲得したとしても、現状の日本社会において社会貢献よりも株主利益を優先することは世論が許さないと考えられます。
これでは、投資をしても多くのリターンを得られませんよね。
したがって、日本の株式が将来的に右肩上がりを続ける状況が生まれるとは考えられません。
国内株にしか投資ができないならまだしも、現在は米国をはじめ多くの国の株式に投資ができる環境が整っています。そのような環境下で、富が集中しない日本に敢えて投資をする理由を見いだすことはできません。
投資は将来の成長を信じられるものにのみ行う
投資の鉄則は「安く買って、高く売る」ことです。配当によるインカムゲインも大きな収益源とはなりますが、最終的に大きな利益を生むのは売買利益(キャピタルゲイン)です。
日本の株式をはじめとする物価は軒並み安く、土地や株価に投資適格があると思えるのであれば、今は絶好の買い場でしょう。
しかし、これが将来的に値上がりし、それが継続的に上がり続けなければやはり投資価値はないと判断します。大事なのは、多少の上下はしつつも長期的に見れば右肩上がりすることですが、日本の株式市場は過去30年間そのような値動きはしませんでした。
歴史的に見ても、日本の株式市場は上か下かの「丁半博打」になりやすいのです。
日本の株式市場は米国等と比べて「難しい相場」と言われます。それは米国株は長期目線だと必ず右肩上がりですが、日本株は長期目線でもどうなるか分からないからです。
まとめ
今回は、日本株への投資をおすすめしない理由について解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- 日本経済は物価安によって海外に買い叩かれ、国際競争力を弱めていく
- 日本企業は高収益を得ることができず、優秀な人材の獲得・教育も困難となり、世界で戦えなくなっていく
- 日本世論は企業に対して社会還元を求める余り、株主利益を後回しにすることで株価は伸び悩む
- 富が集中しない日本の株式市場より、富が集中し長期目線では必ず右肩上がりする米国株が相対的に優れている
これらの理由から、日本企業および経済が将来的に継続的成長をしていくとは考えにくく、投資対象としても見劣りする要因です。
投資は、将来の成長に賭ける事業である以上、成長を信じられないものに投資をするのはナンセンスであるといえます。
ここまで利益追求のスタイルで投資判断を行いましたが、投資のスタイルは十人十色です。
自分が納得のいく投資を追求していただければと思います。
ではまた!
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