【介護事業経営者が解説】親に介護が必要になったらまずすべきこと!~介護は家族だけの悩みではない~

うちの親もいい歳になってきたし今後介護が必要になるのか心配…

こんにちは、かばです。

今、日本は超高齢化社会に突き進んでいることは、日本に住む誰もが知っていることですね。

団塊の世代が一気に介護年齢に達する2025年問題は、日本が抱える大きな課題です。

私たちはまだ元気でも、親が高齢化してきて介護が必要になるんじゃないかと心配している人もいるでしょう。

そうなる前に適切な対応を知ることで、いざ介護が必要になったときに素早く対策を打てるようになっておくことが重要です。

まずは、私のプロフィールを紹介します。

  • 介護事業所(デイサービス2ヶ所)経営しています。
  • グループでは訪問介護事業所2ヶ所、福祉用具レンタル事業所、居宅介護支援事業所を経営。
  • 介護保険設立当初より携わっているので、業界ではほぼ最古参となります。
★それ以外のプロフィールについてはこちら

今回は、家族に介護が必要になったらどうすればいいのかを解説します。

適切に行政サービスを利用することにより、金銭面の負担を軽減したり、利用する本人だけでなく家族全員が幸せに暮らしていくことができるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

介護保険制度を利用するには

最近、家族の足もとがふらついてきた気がする・・・

毎日みていると特に気付かないものですが、やはり歳を取ると足もとがふらついてきます。

体力や筋力が低下し、問題なく歩行などは行えるものの歩幅が狭くなったりすると、これまで通りに生活ができなくなってくる初期段階です。

まずはそういった体力や筋力の低下を家族が見逃さないことが重要です。

本人は、自分が老化しているという事実を受け止めるのは精神的にも酷なので、否定することが多いです。

そして、いよいよ動作に不安が生じ、転倒したり酷い物忘れで日常生活に支障を来したりと、介護の手が必要となった場合には介護保険制度を利用することになります。

ここで大事なのは、介護保険制度を利用することをネガティブにとらえないことです。

 

介護保険制度とは

まずは介護保険制度について解説します。

介護保険制度は介護が必要な人に、その費用を給付してくれる保険制度です。
サービスを受けるには原則1割の自己負担が必要です。
※ただし、前年度の所得に応じて、自己負担率が2割あるいは3割になります。
サービスの対象者 (受給者) は、原則として第1号被保険者(65歳以上の人)です。

では、何から始めればいいのでしょうか?

大まかには以下の流れで介護保険制度を利用することになります。

  1. 要介護認定の申請:役所の窓口か包括支援センターで行います。介護保険被保険者証を持参します。
  2. 認定調査・主治医意見書:市区町村等の調査員が自宅や施設等を訪問して、心身の状態を確認するための認定調査を行います。
  3. 審査判定[一次判定]:コンピューターによる全国一律の判定がされます。
  4. 審査判定[二次判定]:介護認定審査会による要介護度の判定が行なわれます。
  5. 認定:介護認定審査会の判定結果にもとづき要介護認定(要支援1・2から要介護1~5までの7段階および非該当)を行ない、申請者に結果を通知します。
  6. 介護(介護予防)サービス計画書の作成:依頼を受けた介護支援専門員が、どのサービスをどう利用するか、本人や家族の希望、心身の状態を充分考慮して、介護サービス計画書を作成します。
  7. 介護サービス利用の開始:介護サービス計画にもとづいた、さまざまなサービスが利用できます。

引用:厚生労働省ホームページ

項目が多いなと感じるかもしれませんが、実際は太字でマーカーを引いているものをするだけです。

あとは、行政や担当業者が手続きを行いますので、連絡があるまで待つということになります。

どれだけの介護サービスが利用できるにかについては、介護度に応じて変わってきます。

当然ながら、介護度が5に行くに連れて利用可能なサービスの数を増やすことができます。

 

費用

病院で診察や治療を受ける際に自己負担分を支払うように、介護保険サービスを受ける場合にも原則1割の自己負担分を支払う必要があります。

上にも書いたように、前年度の所得が多い人は所得制限に引っかかって2割や3割負担することも珍しくありませんので、仕事を引退した直後に介護サービスを受ける場合には注意が必要となります。

介護度が高く多くのサービスを利用できるからといって、最大まで使ってしまうと自己負担分だけで数万円に上ることもありますので、月々の負担可能額を担当ケアマネージャーに伝えることも重要です。

その他、介護保険制度とは関係のない生活費(食事代や入居費など)は、全額実費となるので確認しましょう。

なお、介護サービスを利用した自己負担分の支払いは、医療費控除の対象となります。

 

在宅か入居か

介護サービスは大きく2つに分けられる

介護サービスと言っても、どのように生活するかで受けるサービスが異なります。

まずは、これまでのように自宅に住み続けながら介護サービスを受けられる在宅介護サービスです。

次に、在宅による従来の生活が困難となったときに、入居型介護施設に住居を移し介護を受ける入居型介護サービスです。

 

まずは在宅介護で頑張ってほしい

在宅介護サービスを選択するには、前提として自宅での生活が可能であることが必要です。

在宅介護の目標は、自宅での生活を手を借りながらでも継続していくことです。

高齢になると急速においていく原因は、定年退職や友人関係が疎遠になることで、社会的繋がりが無くなり生活に張りがなくなるためとも言われています。

社会との繋がりを維持するには、これまで通りの在宅生活が最も有効ですので、まずは在宅生活で可能な限り頑張ることが理想です。

代表的なサービスは、訪問介護、通所介護(デイサービスなど)、福祉用具レンタル、訪問医療などがあげられます。

  • 訪問介護:利用者宅にて生活援助(掃除・洗濯・買物・調理など)から身体介護(入浴介助・通院介助など)まで幅広く行う
  • 通所介護:施設にて身体介護(入浴介助・リハビリなど)や他者との交流を促して社会的孤立を防ぐ
  • 福祉用具レンタル:杖や車椅子など、身体機能を補うための器具を貸し出す
  • 訪問医療:(歯科医を含む)医師や看護師が利用者宅を訪問し、診察・治療・薬剤の処方などを行う

その他にも、訪問リハビリなどサービスは様々ありますが、いずれも在宅を継続することが目的となります。

 

それでもダメなら無理せず入居へ

在宅生活がもはや困難と判断した場合には、迷わず入居型介護サービスの選択もしていきましょう。

無理に在宅生活を継続することで、屋内で転倒する場合もありますし、排泄や服薬が失敗してしまうと健康状態にも悪影響を及ぼしてしまうからです。

入居型介護サービスを選択するには、このように在宅生活が困難であることが前提となります。

代表的なサービスは、老人介護保険施設、特別養護老人ホームなどがあげられます。

  • 老人介護保険施設:リハビリテーションを必要とする高齢者の自宅復帰を支援する施設
  • 特別養護老人ホーム:日常的な介護を必要とする高齢者に、介護と生活援助サービスを提供する施設

いわゆる「入所する」というのは、特別養護老人ホームの利用を指します。

老人介護保険施設では、在宅復帰を促進することが目的となるので、リハビリをしっかり行います。

それに対して、特別養護老人ホームは終の棲家となる場合が多いです。

特別養護老人ホームは、最後の手段とも言えるので、入居するには要介護3以上が必要となります。

 

認知症の場合にも同じことが当てはまる

認知症に罹っている場合には、必ずしも身体機能が低下していなくても要介護認定がおりる場合が多いです。

なぜなら、徘徊行為や不潔行為をする場合があるからです。

特に徘徊行為は、昨今、問題となっているのが認知症高齢者の線路侵入による死亡事故です。

認知症に罹ると、時間や曜日の感覚が無くなりますので、24時間見張っていなければならなくなります。

しかし、現実的にはそれは不可能ですよね。

だから、介護保険制度を利用して、地域社会が協力してサポートしていくわけです。

認知症高齢者の場合でも、在宅生活が可能であれば、認知症対応型の施設を利用することになりますが、不可能となれば施設や共同生活介護(グループホーム)などを利用することになります。

 

まずは相談すること

利用者本人や家族の悩み・ニーズを聞き、専門的にどのようなサービスを受けるのが適切かを判断するのが、ケアマネージャーの仕事です。

日常生活の悩みをしっかり伝え、満足のいくサービスを受けられるようにしましょう。

金銭的な悩みを相談すれば、経済的に無理のないサービスを計画してくれます。

また、サービスを受けていく中で生じる悩みやニーズも、ケアマネージャーに相談することで利用している施設との窓口になってくれますので、施設に言いにくいこともケアマネージャーに伝えると良いでしょう。

 

まとめ

今回は、家族に介護が必要になった時に最初にすべきことをお伝えしました。

介護保険制度を利用するために私たちがすることは、

  1. 役所や包括支援センターに申請を出し、
  2. 自宅で調査員による認定調査を受け、
  3. 1ヶ月ほど待てば要介護(要支援)認定が下りるとともに保険証が発行され、
  4. ケアマネージャーに悩みや要望を相談してサービスを決め、
  5. サービス開始!

という流れになりますので、参考にしてください。

そして、可能であれば在宅介護を利用するところから少しずつ始めてほしいと思います。

住み慣れた家で、思い出が詰まった家で、一日も長く暮らしたいと願う気持ちを大切にしてあげてください。

それでも、在宅生活が困難となった場合には入居することを検討してください。

介護保険制度を利用するのは、国民として当然の権利です。

恥ずかしい、情けないと思わずに、借りるべき手は借りて満足の日々を実現することが大事です。

また、家族も「あれ?」と思うことがあったら、自分たちだけで何とかしようとせず相談するだけでも解決策が見つかる可能性がありますので、気軽に行政や地域包括支援センター、近所のケアマネージャーに相談ましょう。

 

ではまた!

 

 

介護の仕事でキャリアアップ!おすすめ転職サイト
カイゴジョブ>>>介護福祉職に特化した求人・転職情報サービス『カイゴジョブ』
ファーストナビ介護>>>非公開求人数で選ぶなら【ファーストナビ介護】
ココカイゴ転職>>>無料の転職支援サービスあり【ココカイゴ転職】

コメント

タイトルとURLをコピーしました