【なぜ不人気?】イメージ先行な介護のお仕事!実は専門職として誇りのある職業だ!

お父さん
お父さん
介護のお仕事というと「キツイ・汚い・給料安い」の3Kと言われますが…

こんにちは、かばです。
ニュースを見ていると、介護の深刻な人手不足について度々話題に上がります。
実際に、介護業界の有効求人倍率は15倍(2020年8月現在)という異次元の数字になっています。
しかし、なぜこれほどまでに介護業界は人手が足りていないと言われるのでしょうか?
今回は、この問題について考えてみたいと思います。

異次元の有効求人倍率15倍

慢性的な人手不足の現状

厚生労働省の発表によると、昨年8月の時点で訪問介護ヘルパーの有効求人倍率が15.03倍とありました。

引用:JOINT

実際、訪問介護はその需要が凄まじいのに対し、ヘルパーに求められる技量はきわめて多岐に渡っています。

  • 身体介護:排泄、食事、着替え、入浴など
  • 生活援助:掃除、洗濯、調理、買い物など
  • 病院への通院介助

家事が得意な人で、様々な身体上の世話も含めて技術が無ければ務まらないと思われそうですが、違います。
実際にはこれら全てをこなせる人はほぼいません。
誰にでも得意不得意があるので、自分が持っているスキルの範囲で事業所からお仕事をもらうことになります。
大変な仕事であることには変わりありませんが、何でもできなければ務まらないというネガティブな印象があるのであれば、それは現実とは異なると言えるでしょう。

次に、通所介護など施設系の場合はどうでしょう。ここでは、デイサービスを例に説明します。

  • 送迎業務:送迎車で利用者を送迎します。
  • 入浴介助業務:施設に併設される浴室(浴場)で利用者を介助します。
  • 食事介助業務:主に昼食やおやつを提供し、誤嚥等しないように見守ります。
  • リハビリ等業務:利用者を運動・体操させ、身体機能の維持を図ります。

このように書くと、専門的で技術的なお仕事だと思われそうですね。
しかし実際には、他のスタッフとも連携しながら行いますので、1人で全て行うことはありません。
メインは入浴介助になりますが、デイサービスの利用者の多くは自立、もしくは手を貸せば独立できる程度ですので、全身で抱え上げて…ということはほとんどありません。
実生活では独居で他人との交流がない利用者も多いため、むしろデイサービスのメイン業務は利用者とのコミュニケーション(会話)ということもできます。
施設系の有効求人倍率は比較的ゆるく、4.31倍にとどまっているようです(それでも他業種よりは高いですが)

 

介護の仕事は3Kなのか?

まず、3Kというと「キツイ・汚い・給料安い」を略した単語です。それぞれ見ていきましょう。

【キツイ】
これは恐らくどこの施設でも同じでしょうが、「利用者による」としか言いようがありません。
介護というお仕事は利用者のお世話をする仕事ですから、利用者の身体機能が極度に低下していたり、認知症等を発症して暴言・暴力が酷い利用者の場合には、業務はきつくなります。
しかし、どこの施設もサービスの利用開始前に利用者と面談等を行い、スタッフの安全を確保しながらサービスを提供できるかをしっかり見てからお仕事を引き受けています(そうでないところはブラックです…)
きつい利用者ばかりを受けている施設は、利用者を選んでいられないほどに経営が厳しいか、スタッフの安全を考慮していないかのどちらかでしょう。

【汚い】
これに関しても、「利用者による」と言うしかありません。
汚いと言うとやはり思い浮かぶのが、排泄介助(もしくは着替え介助)ですよね。
まず、排泄介助をしなければならない利用者というのは、以下の2種類です。

  • 身体機能の低下で排泄を自力で行えない
  • 認知機能の低下により尿意・便意がなくなっている

尿意や便意があるのであれば、お手洗いに随行するだけであとは自分でできます。
もし、尿意や便意がなかったとしても、声掛けをして促していけば失敗することは少ないです。

【給料安い】
実際、国内で高い業種とは言い難いですが、大体は会社によります。
介護施設の収入は、9割が介護保険からの報酬となります。
その単価や金額は、介護保険法で定められているため、施設側で設定することができません。
ただし、国は施設が横抜きできないスタッフ用の報酬というのを、施設の売上に比例して配っています。
なので、施設の売上が伸びているなら、そちらの報酬額が上昇していきますので、必ずしも介護職の給料が他の業種に比べて特に劣っているというわけではありません。
実際に、介護職の離職原因で給与を理由としているのは、全体の3~5位ぐらいです。
離職の最大の原因は、主に人間関係や労働環境にあると報告されています。

 

現場では何が起こっているのか?

新型コロナの拡大で利用者が激減

介護施設は、先ほど説明したように、その財源を国からの介護保険報酬でほとんど賄っています。
実際に利用者が施設を利用し、施設内で入浴やリハビリを行っていくことで報酬が発生します。
したがって、利用者が施設を休んだり辞めたりすると、途端に収入がなくなってしまうわけです。
介護施設は、高齢者を相手にしている以上、その体調の変化や入院・入所、そして突然の死亡というリスクと隣合わせで経営を行っているわけです。
そこにきて、今回の新型コロナウイルス感染拡大という未曾有の事態となりました。
これにより、高齢者施設はデイサービスを中心として、日本各地でクラスターが発生。
行政からも、各施設に対して、クラスターを避けるために利用者へ施設利用自粛を促すよう指示が出たのです。
ただ、これに従ってしまうと、利用料を確保できず収入が途絶えてしまい、経営が成り立ちません。
介護保険制度は、施設が内部留保を貯め込み、事業者が富を蓄えることを避けたがっているわけですから、頑張って経営しても大して利益も出ないようになっています。
新型コロナの拡大を受けて、このように体力の無い高齢者施設が経営破綻し、廃業に追い込まれているわけです。

 

訪問介護へのしわ寄せ

では、廃業に追い込まれた施設に通っていた・入居していた利用者はどうなるでしょう?
当然、別の施設を利用することが望ましいわけですが、この状況下では初めての施設を利用することは、感染リスクを高めてしまいます。
そこで、一旦は施設の利用を取りやめて、自宅で訪問介護サービスを受けようとなるわけです。
国の方針としては、医療が逼迫する中、病院使用率の高い高齢者の健康を維持することで、医療への防波堤になってもらおうという趣旨の発表がありました。
具体的には、訪問介護によるヘルパー派遣で高齢者の健康維持を図ろうというものです。
そして、感染者と濃厚接触の疑いのある利用者、ひいては感染者にまで訪問介護のヘルパーによる介助を委ねたわけです。
元々、人手不足で高齢化も進んでいた訪問介護に対して、新型コロナとの戦いにおける言わば特攻隊を訪問介護にやらせようと言うものでした。
当然ながら、そんなお仕事は誰もやりたがらないし、多くの事業所はそのような高齢者を引き受けません。
ただ、少なくとも、これによって訪問介護ヘルパーの担い手は減少し、より人手不足は悪化しました

 

介護職のキャリアアップ

キャリアアップへの具体的な道すじ

このテーマについては、結論から言うと、キャリアアップは可能です。
ただ、通常の会社などとは異なり、労働者の立場としてできるキャリアアップはかなり限定的です。
なぜなら、現場スタッフから施設責任者までの道のりは、多く見積もっても5段階ぐらいしかありません。
すなわち、入社して4回昇進したら施設のトップまで行けてしまうのです。
ただ、介護職には国家試験である介護福祉士をはじめ、多様な資格がありますので、それらを取得していくことで資格手当や専門知識・技術を生かした職種で転職することが可能となります。
したがって、キャリアアップを目指すのであれば、資格取得とともにより条件のよい施設への転職が必須条件となるでしょう。

 

施設の運営法人には大きく2種類ある

キャリアアップをしていく中で注目してほしいのが、施設の運営母体である法人の形態です。
介護施設を運営する法人は、大まかに以下の2種類あります。

  • 社会福祉法人
  • 株式会社

社会福祉法人は非営利法人であり、株式会社は営利法人なのは分かるかと思います。
では、この2種類で何が違うかと言うと、税金と利益の取り扱いです。
株式会社では、最終利益がプラスになれば23%の法人税を払って利益を残すことになります。
ところが、社会福祉法人は、最終利益がプラスになった場合の法人税が株式会社より8%ほど低く設定されており、その他で得た収入による利益には法人税がかからないしくみになっています。
このように、社会福祉法人は、株式会社よりも税制面で大きく優遇されているわけです。

社会福祉法人は、メイン事業以外の収入は非課税になるわけですが、これには車両のレンタル代やリース代も含まれることになります。「施設経営者(理事長)は外車を乗り回している」という話がありますが、この外車を社会福祉法人が購入し、理事長が使用料を支払って借りている場合には、非課税になります。外車購入は経費で購入し減価償却で損金を分散し節税、貸し出し費用を回収するも非課税なので丸ごと法人に還元されるという仕組みができあがります。

 

どちらの法人を選択するのがベストか?

【社会福祉法人】

  • 施設態様…入居系が多い。
  • 勤務態様…夜勤・休日出勤・場合によっては早出残業がある
  • 給料…比較的高い水準

【株式会社】

  • 施設態様…在宅系施設が多い。多くの場合は中小企業が地域に密着して事業を展開。中には、パナソニックのように全国展開している会社も存在する。
  • 勤務態様…夜勤・休日出勤・早出残業もほとんど無し
  • 給料…社会福祉法人に比べると限定的

これらの条件に関しては、どのように働きたいかで決めていくことになるでしょう。
私個人的な考えとしては、株式会社は社会福祉法人よりも安い給料しか出せないものの優秀な人材を雇わなければならないので、給与以外に勤務態様や福利厚生に力を入れているところが多い印象です。
実際に、社会福祉法人の施設で勤務してみると、生活リズムは崩れやすいし、体力・精神力ともに疲労が溜まっていくケースが多く見受けられます。
対して、株式会社の施設では、生活リズムは崩れる心配もありませんし、労働環境にも気を配っているという印象があります。
若いうちは社会福祉法人の入居施設でバリバリ働き、ある程度の年齢になると株式会社の通所系施設で安定した働き方を選択している人が多いように感じます。

 

まとめ

今回は、訪問ヘルパーの有効求人倍率が15倍に上り、その他の介護職でも4倍を超える高水準になっている原因や現状についてお伝えしました。
マスコミなどのイメージ先行によるネガティブな印象を持たれることは、介護現場の人手不足を一層加速させていくものです。
今回の記事で少しでもそのような印象を払拭できればいいなと考えています。
実際には、介護職は安定した職業でもあります。
給料も決して安いわけではありませんし、少なくとも無理な生活コストをかけていなければ、普通に生活することは容易だと思います。
また、資格も様々用意されていますし、それらを取得していき、場合によっては転職を上手く利用していけばキャリアアップも目指していけます。
やりがいのあるお仕事なのは間違いありません。
少しでも多くの人が、介護のお仕事に参入してもらえると嬉しいですね。

 

ではまた!

 

介護の仕事でキャリアアップ!おすすめ転職サイト
カイゴジョブ>>>介護福祉職に特化した求人・転職情報サービス『カイゴジョブ』
ファーストナビ介護>>>非公開求人数で選ぶなら【ファーストナビ介護】
ココカイゴ転職>>>無料の転職支援サービスあり【ココカイゴ転職】

コメント

タイトルとURLをコピーしました