【介護で働く人必見!】2021年介護報酬改定で見られる国の介護業界への対応がブラックすぎた!

  • 介護報酬が改定されるけど内容がブラックすぎてキレそう
  • 新報酬になるまでのスケジュールが短すぎて対応できない
  • 国は言ってることとやってることが違いすぎじゃないか

こんにちは、かばです。

今年は3年ごとに行われる介護報酬が改定される年です。

介護の仕事といえば、3Kと言われてなかなか人材が集まってこない業界でもあります。

介護報酬が改定されることは介護スタッフの給与に反映され、今後の介護職人口に影響するということです。

しかし、今回の介護報酬改定という大イベントでは、管轄する厚生労働省が介護業界に対してどのように考えているかが明らかになってきています。

介護業界が抱える闇は、そのほとんどが厚生労働省にあるのではないかということを今回記事にしてみました。

なお、今回の記事は私の主観が大いに含まれています。これが介護の現場管理者のナマの声だと思って読んでいただければ嬉しいです。

介護スタッフに給料が配られるまで

私が管理者をしているデイサービスを例に、介護スタッフまで給料が流れる仕組みを説明します。

介護サービスの原資は?

私たち介護スタッフが給料としてもらえるお金の出どころは、主に2箇所あります。

  • 介護保険料
  • 税金

引用:日本航空健康保険組合

すべてを保険料で賄っているわけではなく、約半分は税金などの国費から支払われています。

介護スタッフに給料が支払われるまで

大まかな流れは以下のようになります。

  1. 高齢者が施設を利用して介護サービスを受ける
  2. 施設は提供したサービスを記録して請求書を作成
  3. 請求書を国に提出し、国はこれを精査する
  4. 請求が認められれば施設に報酬が振り込まれる
  5. 報酬から介護スタッフに給料が支払われる

また、これとは別に「利用者から自己負担分(1割)」を請求して支払ってもらう必要もあります。

請求が認められ、報酬が支払いを受ければ介護スタッフへの給与を支払うことができますが、支払いは翌月末となるので介護スタッフへの給与は最初のうちは会社の自腹になります。

なお、介護報酬(サービス料)は、施設が自由に設定することはできません。

介護保険や税金を原資にあてているので、すべて国が法律(介護保険法)で決定しています。

したがって、私たち施設側が料金決定に関してできることは、昼食代など実費にかかる部分を決定するだけです。

施設はサービス内容を自由に決定できない

法律には、各介護サービスの内容を規定されており、施設が自由にその内容を追加・削除・変更することはできません。

例えば、

  • 自宅以外の場所を送迎の目的地としてはならない
  • 特定利用者の買い物を請け負ってはならない
  • 利用者からの差し入れを受け取ってはならない
  • 送迎不要の利用者を迎えに行ってはならない
  • サービス利用予定時間より早くに帰ってはいけない

という感じです。

介護保険料と税金を原資にしているという建前があるので、施設の判断でサービス内容を改変することは許されません。

事業運営といいながら、ほとんど国の手足として業務を行っているに過ぎないのです。

生産性向上を阻害する形式的業務の多さ

厚生労働省は「介護施設において生産性を向上させ職員の処遇改善を求める」と声明をあげていますが、現実的にはまったく実現できていません。

理由は当の厚生労働省にあり、膨大な書類業務などの非生産的な業務を義務としていることが原因です。

繰り返しになりますが、介護報酬は介護保険料と税金を原資としているため、報酬の支払決定には慎重に慎重を重ねています。でなければ、国民の理解を得ることができません。

介護報酬の請求が正当であることを担保とする手段として、施設に詳細な記録などの書類作成を要求しています。

そしてこの書類作成業務というのが、どれだけ非生産的かというと、

  • まったく同じ内容の書類を、タイトルを変えて2種類作成する
  • 送迎記録は、①何時に利用者宅に到着し、②何時に施設に到着、③何時に施設を出発し、④何時に利用者宅へ送り届けた、というように記録する
  • サービス提供連絡帳を全利用者に作成する

というように、サービス提供を担保するだけであれば不必要な内容のものまで要求されています。

介護業界は高齢女性スタッフも多数在籍するため、ICT化が遅れ生産性が低いと言われている分野でもあります。

しかしながら、行政自体もICT化を進められていないこともあり、無駄な業務は多く残っているのが現状です。

2021年介護報酬の改定

令和3年4月に、新たな介護報酬による算定が開始されます。

介護報酬が改定されるとどうなるのか?

介護報酬が改定されるということは、施設の収入が変わるということです。

施設の収入が増えるなら入職しているスタッフの給与にも反映される可能性があります。

施設の収入が増えると、自動的に介護職員の給与が増える「処遇改善加算」というインセンティブがあります。これは国からその支払い実績を支払明細付きで報告するので、施設は横取りできません。

デイサービス管理者をしている私としては、可能な限り多くの給与をスタッフに配りたいと考えています。

その理由は2点あります。

  • 既存スタッフを長く雇える:ベテランほど生産性が上がる
  • 新規スタッフを雇いたくない:紹介サイト等に支払う紹介料が高い

人件費というのは「投資」なので、ケチってしまうとパフォーマンスの低下や最悪の場合は離職に繋がり、結果として新規スタッフの紹介料や教育費などに余計にコストがかかって、利回りが低下するという悪影響が出ます。

ただ、その原資はすべて介護報酬から支払われるので、介護報酬が改悪になってしまうと人件費を上げることはできませんし、少なくとも報酬額に比例して上下する「処遇改善加算」が期待できなくなります。

このように介護報酬が改定されるということは、介護施設やスタッフにとって重要なイベントなのです。

介護報酬は3年ごとに改定されている

介護報酬は3年ごとに改定されており、その理由は「他の業界における経済推移や現場のサービス内容に反映する」ものです。

改定される内容は、大まかに見て以下の通りです。

  • 既存サービスの料金見直し
  • 既存サービスのサービス内容見直し
  • 新規サービスの導入

厚生労働省は、以前より「2025年問題」として今後起こるであろう要介護者の急増に向けた引き締めを行ってきています。

「2025年問題」とは、戦後すぐの第一次ベビーブーム(1947年~1949年)の時に生まれた、いわゆる”団塊の世代”が後期高齢者(75歳)の年齢に達し、医療や介護などの社会保障費の急増が懸念される問題を指します。

このように増大する介護費用を何とか抑えようと、厚生労働省が打ち出した方針は施設にとって厳しいものです。

  • 高齢者が自立できないサービスは報酬減
  • 既存サービスを高齢者が自立できるものに変更
  • 高齢者を自立させる新規サービスを立ち上げる
  • 長く高齢者が利用する施設はペナルティで報酬減

ここから分かるように「高齢者に施設を利用させるな」という内容となっています。

利用してもらわないと収入が発生しないのに、利用させると収入を減らすという究極の二択を迫られるわけです。

このように介護報酬の改定は、「他の業種との近郊を取る」という名目のもと、国の財源との調整(おそらく財務省との折衝)でほぼすべてが決められることになります。

介護報酬改定の作業日程は超ブラック企業

「働き方改革」と銘打って今年度から有給休暇を義務化したりと、厚生労働省は労働者の勤務環境整備に働きかけていましたが、今回の介護報酬改定における厚生労働省の対応はきわめてブラックなものとなりました。

  • 介護報酬改定による新報酬体系の発動は令和3年4月1日
  • 既存・新規サービスを提供する場合は行政へ3月中に届出(必着)
  • 新報酬の内容と、サービス提供の届出書類様式が公開されたのが3月24日

正式な情報公開から、すべての体制を整えるまでに用意された日数は約1週間しかありません。

この約1週間の間に、厚生労働省から公開された資料(数千ページ)から必要な部分を探し出して読み込む必要があります。

情報を集める場所は、基本的には厚生労働省や関連団体のホームページから取得しますが、情報の内容は一元化されておらず散り散りになっているので自分で集めて体系化しなければいけません。

情報を集め、理解し、行政へ届出をし、そして利用者と現場スタッフに説明をする必要があるわけです。

これらの業務は介護サービスではないので報酬は付きません。

多くの場合は、管理者が残業をするか小さい法人であれば経営者が無報酬でやることになります。

厚生労働省が掲げた「働き方改革」は、厚生労働省が管轄する介護業界には適用されていません。

介護報酬の改定による影響

今回の介護報酬改定は、内容的にもスケジュール的にも到底納得できるものではありませんでした。

改定に対応を迫られた現場スタッフ

昨年、介護職への慰労金が特別に支払われましたが、それを加味してもあと3年はこの体制でいくというのはかなり厳しい状況です。

例えば、デイサービスだとどのように改定されたかを見てみましょう。

  • 施設利用は約90円値上がり
  • オプションサービス(入浴介助)は約100円値下がり

※介護報酬100円は自己負担10円となります。

ほぼトントンです。いや、ちょっと下がってますね。

管理者は悲鳴を上げていますが、スタッフもモチベーションの低下が著しいものです。

最前線で働く職員に与える影響

介護報酬が下げられることで、人件費を下げなんとしても利益を出そうとする法人があることは、ある意味では仕方ないことでもあります。

  • 施設建造費に数千万から数億を自腹または借入れで支払っている
  • リスクを負って投資した以上は最低限のリターンは欲しい

しかしこれを現場のスタッフが快く思わない場合もあります。

介護が社会保障で公益事業とするなら、市役所などと同じように施設を税金で建設する必要があります。

利益を追求しているつもりはないが、利益を出さないと身銭を投げ捨てて廃業という結果になりかねません。

一部の法人では、現場を見ない経営者がいることも確かですが、少なくとも私のように「会社は大きく儲からなくてもいいから現場スタッフを守りたい」という想いがある経営者も多いかと思います。

介護報酬の下方改定は、現場の経営者とスタッフに分断を生みかねない危険なものです。そのような分断を今の時点で生んでいるようでは、2025年になる以前に介護業界そのものが崩壊しかねません。

これからは介護業界でもPDCAが大事??

今回の介護報酬の改定で、全業種共通の新規サービスとして「科学的介護」を推進するというものがあります。

科学的介護とは、高齢者の身体状況を計測・分析して厚生労働省のデータベースに送り、厚生労働省からフィードバックをもらって実際の介護サービスに取り入れていくというもの。

しかし、実際に現場の利用者や状況を見たことがない厚生労働省が、どのようなフィードバックをするのか疑問という声も多くあります。

果たしてこれが浸透するかは当面様子見なところもあります。

まとめ

今回は、介護業界に3年に1度訪れるビッグイベントである、介護報酬改定について解説しました。

  • 介護報酬は介護業界の今後を左右する
  • 国の意向で介護スタッフの処遇も大きく変わる
  • 対応スケジュールはかなりタイト
  • 現場からは否定的な意見も多い

本来、介護事業というのは公益事業として、国が公務員を動員して行うものではあります。

それができないから、民間に委託しているという状態です。

現在、コロナ禍が続く中で、逼迫する医療の防波堤になっているのが、介護業界であることは明白だと思います。

この記事を読んで、介護業界が置かれている状況を知ってもらえる方が増えれば幸いです。

ではまた!

 

 

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