【会社?個人事業主?】起業をするなら知っておきたい!法人のメリットは税制面だけじゃない

こんにちは、かばです。

経済的自由を実現するのに副業、ひいてはフリーランスとなって会社を退職することは大きな意味があります。

サラリーマンをしていると、毎日同じ時間に会社に行かなければならないわけですが、10分ほどで会社に到着するならまだしも1時間も満員電車に揺られて出勤しないといけない人も多いはず。
ちなみに、私は約1時間の出勤時間でしたが、苦痛で仕方ありませんでした。

もっとも今では、会社の経営に回っているので、出勤時間も徒歩5分だったりそもそも出勤自体が自由裁量だったりと、仕事以外の苦しみは無いわけですが。

副業が進んでくると、独立や起業を検討する必要があります。

その際に、個人事業主となるか、はたまた会社を作ってしまうか悩ましいところです。

私個人としては、安定的な収益があるのであればいっそのこと会社を作ってしまうのがいいと思っています。

今回は、起業をするのであれば会社を設立してしまったほうがいいと考えるメリットを説明していきます。

会社のメリット

税金対策になる

経済的自由を手に入れるためには、税金を無制約に許していては実現できません。
可能な限り税金支出をコントロールして、お金を守って行く必要があります。

個人事業主でも会社でも、サラリーマンよりは税金面で優遇されています。

では、個人事業主よりも会社の方が税制面でメリットが大きい理由は何でしょうか?

以下に、それぞれかかる税金の種類を整理してみます。

[個人事業主]

  • 所得税
  • 個人住民税
  • 個人事業税
  • 消費税
  • 固定資産税

[法人]

  • 法人税等(法人住民税、法人事業税を含む)
  • 消費税
  • 固定資産税

まずは、個人事業主の【所得税】に関してですが、課税の方法は累進課税です。
これはサラリーマンの方なら分かるかと思いますが、課税所得の額に応じて税率が引き上がっていきます。
本当にただの副業で年間数十万程度の収入なのであれば個人事業主の方が税金は安くなるかもしれません。


(引用元:国税庁

次に、法人の【法人税】の場合は、およそ25%前後となっています。

この時点で、収入が少ないなら個人事業主の方がお得に感じるかもしれません。
すなわち、上記の図の900万円以上とならないなら、法人税の方が高いようにみえます。

ここで、個人事業主と会社の課税所得について見てみましょう。

まず、右図の個人事業主から。

課税所得の部分は、売上-費用(必要経費)となっています。
この費用に関しては、事業に必要な経費とされていますが、以下の項目は経費となりません。

  • 個人事業主の給料
  • 個人事業主の家族の給料
  • 事業主自身の福利厚生や保険料など

大きなものとしてこれらがあげられます。
そうすると、売上から費用を差し引いて、残った分からこれらを使っていくことになります。

次に会社の場合について。

事業主である社長など、取締役の給料は役員報酬として費用に計上できます。
また、社長の家族などであっても、会社で働いているなら給与が発生します。
さらに、社長自身の生命保険や福利厚生に関しても費用として認められます。

したがって、会社の場合の方が費用として認められる部分が大きくなるため、課税所得を抑えることができます。
結果としては、会社の方が税金を抑えられる可能性が大きくなります。

また、赤字が発生した場合の繰り越しに関しても、個人事業主が3年と決まっているのに対し、会社では10年まで認められます。

融資を受けやすい

個人事業主でも事業資金として銀行から融資を受けることは可能です。

しかし、融資を受ける際には、物的担保(不動産など)や人的担保(保証人など)を提供する必要があります。
そして、仮に融資が認められたとしても、あくまで個人に対する融資となりますので、事業規模が大きくとも与信判断は会社より落ちるでしょう。

対して、会社の場合には、法人として安定的な事業運営と判断されやすいです。
その理由としては、個人事業主よりも法人の方が、会計処理が厳格に規定されているので、銀行からしても事業計画の判断をしやすいという点があります。

会社の場合でも、担保を必要とする点では変わりませんが、銀行の側からすれば、会社の方が与信判断をしやすく融資を受けやすくなります。その結果、事業規模を拡大する可能性も大きく、将来的にも期待ができるという点で異なるでしょう。

これ以外にも、会社の場合だと増資目的の新規株式や社債の発行という形でも、資金を得る方法があるので、個人事業主よりも資本増強を図りやすくなります。

信用を得やすい

前項で紹介したのに関連して、個人事業主よりも会社の方が一般的に信用度は高くなります。

  • 会社にしか認められていない事業がある
  • 会社は社会保険の加入が義務付けられている
  • 会計処理が厳格に定められている

たとえば、介護事業は個人事業主では指定を受けることができません
介護事業を始めるには、行政から介護保険の指定事業者に認められなければなりませんが、個人事業主では指定事業者に認められていません。

その理由としては、介護事業は介護保険という公的資金を使う制度なので、信用面で劣る個人事業主には認められないとの判断です。

介護事業を運営する際には、スタッフが利用者に対して損害を与えてしまう場合があり、損害賠償責任を事業主が負うわけです。
会社の場合には損害賠償保険の加入が可能ですが、個人事業主では加入ができないという事情もあります。

次に、会社は大小関係なく社会保険の加入が義務付けられていますが、個人事業主の場合には加入は任意となります(事業規模による)

従業員を雇う場合には、社会保険の加入がなければ求職者としても応募しにくくなります。
社会保険の加入は、自分の生活に直結する重要な要素ですからね。

また、会社は個人事業主と異なり、会計処理が厳格となっています。
個人事業主では、家計と事業の境目が曖昧ですし、青色申告で満額の控除を受けない限り、貸借対照表の添付が免除されています。
対して、会社の場合には、損益計算書と貸借対照表を作成しなければならず、法人と個人の会計も明確に分けられているので、財務に対する信用も高くなります。

会社にするデメリット

設立が面倒くさい

個人事業主が税務署への届け出だけで済むのに対し、会社は設立までに手間と時間と費用がかかります

会社設立をするには、定款を作成し、印鑑を用意して登記を行います。
登記を行うには、登録免許税等の費用(約20万円)が必要となります。
資本金自体は0円からでも設立できますが、設立費用は別にかかってくるので、やはりある程度の資金は準備しなければいけません。

また、定款を作成するには、ひな形を手に入れて自分で作ることも可能ですが、そのような事務手続きがしんどいという方は、行政書士などに依頼することになります。
そのための費用も別に用意しなければなりません。

回る役所も、税務署から法務局、労働局、社会保険事務所、市役所など、様々ありますので、これらも自分で行うか士業に委託してやってもらうことになります。

かかる時間も、早くて1週間ほどですが、遅くなってしまうと1ヶ月ほどかかってしまう場合もありますので、事前の準備が重要となります。

ランニングコストがかかる

個人事業主の場合は、売上や利益が発生しなければ支出が発生しません。

しかし、会社の場合には、会社が稼働していなくてもランニングコストがかかってきます。

具体的には、法人住民税は売上があがっていなくても支払わなければなりません。

事務処理が面倒くさい

上でも説明したように、個人事業主は青色申告で満額控除を受けなければ、貸借対照表の添付が免除されたり、事業として自由に変更が可能だったりと、シンプルな作りになっています。

ところが、会社の場合には会計処理に関しては損益計算書と貸借対照表を作成しなければならず、単純に個人事業主よりも事務処理が多くなります。

また、事業内容に変更が生じる場合には、定款を書き加えるか変更をしなければならず、法務局に出向いて手続きをしなければなりません。その際に、費用も1万円発生します。

まとめ:デメリットはあるものの会社を選択するメリットは大きい

今回は、会社と個人事業主を比較して、会社を設立するメリットとデメリットを解説しました。

まとめると、メリットは以下の通りです。

  • 個人事業主より税制面で優遇されている
  • 個人事業主より融資を受けやすく、それ以外の資本増強の方法が用意されている
  • 個人事業主よりも信用を得やすく、法人でないとできない事業も多い

ただし、デメリットもあります。

  • 設立手続きが面倒くさい&費用もある程度かかる
  • 会社が稼働しなくてもランニングコストがかかる
  • 設立後の事務処理が面倒くさい

個人事業主と会社のどちらが正解かというのはありませんが、私個人としては会社設立をしてしまったほうがいいかなと思います。

経済的自由を手に入れるには、節約や投資だけではなく副業はじめ事業を行うことは重要になってきます。
事業は、自分ですべてやっているうちは自由に働けるという点を除いて、サラリーマンと大きな差はでません。
しかし、規模を拡大していき従業員を雇って売上を伸ばしていくことで、自分の収入も一人でやっている時とは格段に変わってきます。

事業をやるのであれば、そのような旨味を得ることも目標に設定した方が面白くなります。

将来の展望や自分のスタイルにあった方を選択してみてください。

ではまた!

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