【解説】「バビロン大富豪の教え」は感動の人間ドラマだった!

こんにちは、かばです。

みなさんは「バビロン大富豪の教え」という本を知っていますか?

今や、YouTuberやブロガーなどから書評としてたびたび話題に取り上げられていますよね。

経済的自由を手に入れるために必要な行動を7つのメソッドとして紹介しています。

この本、実は漫画なんです。ストーリーもしっかりとあって、なかなか面白いんですよ。

なので、今回はどこでも言われているハウツー本としてではなく、1冊の漫画としてこの本を取り上げてみたいと思います。

全力でネタバレになるかと思いますので、気になる方は先に本を読むことをおすすめします!

 

 

著者について

ジョージ・S・クレイソン(George Samuel Clason)1874年

、米国ミズーリ州生まれ。

大学卒業後、1898年の米西戦争に陸軍兵として参加。兵役後、出版社を設立し、米国とカナダの道路マップを初めて刊行する。1926年より、バビロンを舞台にした一連の寓話シリーズをパンフレットの形で発行。銀行や保険会社、一般企業の経営者たちを中心に評判が広がり、やがてそうした人たちによって何百万もの人々に紹介され、膨大な読者を生むことになった。1957年、カリフォルニアにて没。

『バビロンの大富豪』は、現在でも蓄財哲学・自己啓発の名著として多くの人に支持され、職業・地位を問わず、あらゆる層の人たちに愛読され続けている。

もう100年も前に書かれた物語ですが、全く色褪せることもなく、むしろこれからの時代にこそ必要とされているなんて、すごいことですよね。

黄金法則や5つの真理というハウツー面だけでなく、ストーリーも今読んで違和感の無いようなものになっています。

 

あらすじ(ネタバレ含みます!)

この物語は、2つのパートを行ったり来たりします。

・「バビロンの大富豪」が、少年時代から経済的自由を手に入れるために数々の冒険や事件を乗り越えていくメインパート
現代日本でこの物語を解読・研究して、自らも経済的自由を手に入れようと決意する、落ちぶれた考古学研究者のパート

 

のちにバビロンの大富豪と呼ばれることになる貧しい少年の話

貧しい武具職人として、日銭を稼ぐ暮らしをしていたバンシルという少年は、友人に誘われバビロンの富豪アルカドのもとに「お金持ちになる方法」を聞きに行くところから話は始まります。

そこで教えてもらうのが、有名な7つのメソッド。

  1. 収入の十分の一を貯金せよ
  2. 欲望に優先順位をつけよ
  3. 貯めた金に働かせよ
  4. 危険や天敵から金を堅守せよ
  5. より良きところに住め
  6. 今日から未来の生活に備えよ
  7. 自分こそを最大の資本にせよ

有名ですよね。

ちなみに「5.より良きところに住め」というのは、贅沢な家を買えということではなく、職場までの距離や良い地域に住むことで良好な人間関係を構築するなど、住環境を向上させようということです。

また、米国などは土地価格が上昇し続けるものとされていますが、日本の場合は下落し続けるので必ずしも不動産を購入するのが正しいこととは言えないというところに注意です。

上記の7つのメソッドのうち、最も重要なのは「7.自分こそを最大の資本にせよ」

すなわち、自ら行動して知識を実践していかなければ、知識は何の役にも立たないと言うことですね。

主人公バンシルの特に優れている点は、以下の二点です。

  • 素直であること
  • 行動力があること

知識を得たバンシルは修行の旅に出ます。

目的は、お金を倍にして帰ってくること。

しかし、旅に出たバンシルはすぐに詐欺や搾取の被害に遭います。

無一文になったバンシルがアルカドから授かった粘土板には、7つのメソッドを昇華させた5つの真理が書かれていました。

  1. 家族と自分の将来のために収入の十分の一以上を蓄える者の元には黄金は自らを膨らませながら、喜んでやってくるだろう
  2. 黄金に稼げる勤め先を見つけてやり、持ち主が群れを膨大に増やし羊飼いのように賢明ならば、黄金は懸命に働くことだろう
  3. 黄金の扱いに秀でた者の助言に熱心に耳を傾ける持ち主から、黄金が離れることはないだろう
  4. 自分が理解していない商い、あるいは、黄金の防衛に秀でたものが否定する商いに投資をしてしまう持ち主からは黄金は離れていくだろう
  5. 非現実的な利益を出そうとしたり謀略家の甘い誘惑の言葉にのったり己の未熟な経験を盲信したりする者からは、黄金は逃げることになるだろう

この5つの真理を、身を持って味わったバンシルは、その後、信頼できるビジネスパートナーから新規事業の話を受けます。

無一文からの再出発で、残った資本である「自分の身体」を使い、目的を果たしたバンシル。

旅を終え、バビロンの国に戻り平和な生活を送っていたところに、敵国からの攻撃を受けます。

戦いの末、バンシルは大切な人や財産まですべてを失い、再び無一文となります。

そのとき、アルカドから伝えられた最後の教え。

守るべき者を持つ屈強な壁となれ

「守りたいもの」があるとき、自分自身を成長させてくれる礎になります。

守ろうと決めれば、それを達成するために日々積み重ねていくことができる、その結果、人は強くなり何度でも立ち上がることができるわけです。

失意で膨らんでしまった借金を、「恩」を返すために返済していく日々となります。

借金をすべて返し終わったバンシルは、バビロンの国の中でも有数の富豪となり、国を支える重要な人物となりました。

 

バンシルの物語を読んで再び立ち上がる現代の研究者の話

バビロン大富豪の話は、現代で考古学研究をしていた「たくやん」というもうひとりの主人公が、発見された粘土板の解読を依頼されたところから始まります。

たくやんは、大学の研究室をクビにされ、高校の非常勤講師となり収入は激減、家族にも見放されて借金まみれの生活となっていました。

そこにこの粘土板解読の依頼がやってくることになります。

解読を進めるうちに、この物語にのめり込み、そして再起を図る決意をしました。

 

 

この物語でいちばん大切なのは7つの黄金法則や5つの真理ではない

多くの書評やレビューでは、やはり経済的自由を手に入れるために読まれることから、7つの黄金法則や5つの真理を紹介されます。

しかし、経済的自由というのは、人生を良く生きるための手段にしか過ぎないのです。

「お金を稼ぐために働く」「やりたくない仕事でも生活をするにはやらないといけない」

そういうお金に縛られる人生は、お金の奴隷と言っても過言ではありません。

もし、『働く』という意味が、お金を稼ぐことから離れたらどうでしょうか?

作中の最後で、「お金はおまけ」というセリフがあります。

  1. BはAに、生活に必要な仕事を依頼した
  2. Aは、一生懸命その仕事をこなした
  3. Bは、仕事の結果を受けて喜び、Aに感謝した
  4. Bは、仕事をしてくれたAにお金を払った

BはAを信頼して、仕事を依頼しています。

Aはその信頼を裏切らないよう、一生懸命仕事をしていきます。

そして、その仕事を達成されたときには、感謝をし、喜びを持ってお金を支払います。

すなわち、仕事の本当の目的は、その仕事によって人が幸せになることが目的なのです。

幸せになったから、その価値をお金という形で提供しているにすぎません。

お金のためではなく、感謝されるために仕事をしていくこと、人々の信頼に応えていくことを第一の目的としていかないといけません。

仕事をする上で、最も大切なのは「ありがとう」と言ってもらえるような仕事をして、相手に喜んでもらうことです。

また、仕事をしてもらった側も、仕事に対しては、お金だけではなく仕事への感謝の心を持つべきですね。

 

バンシルから学ばなければならないこと

何と言っても、

  • 素直さ
  • 行動力

だと思います。

知識や知恵というのは、その情報に触れれば平等に得ることができます。

本やネット、今ならブログやYouTubeで良質な情報に触れることができます。

だとしても、99%の人はその知恵や知識を持ちながらも、現実では何も得ることはできないと思います。

なぜなら、その情報を「素直に」受け止め、「行動力」を持って実行していかないからです。

黄金法則を知っても、

  • 「そんなこと言ったって」
  • 「そんなうまくいくわけがない」
  • 「自分なんかができるわけがない」
  • 「その人だからうまくいったんだ」
  • 「分かってはいるけど時間がない」
  • 「もうちょっと勉強してから」

などと言って、行動に起こさない人が99%です。

そうこうしているうちに、既に行動を起こした人たちからは到底詰められない距離と付けられてしまうのです。

投資をするという話ひとつあげても、

  • 「投資は恐い」
  • 「損したらどうしよう」
  • 「借金は背負いたくない」
  • 「汗水流さないお金は汚い」

と言って、挑戦しない人がほとんどです。

確かに、「素直であること」「行動すること」にはリスクが伴いますし、このリスクを受け入れられない人は行動を起こしたとしても、失敗すれば「ほれ、言わんこっちゃない」と挑戦したことを否定します。

しかし、多くの場合、挑戦しないことこそがリスクであり失敗なのです。

 

 

まとめ

今回は、「バビロンの大富豪」についてお話しました。

黄金法則や5つの真理がよく出回っているので、経済的自由のためのハウツー本だという認識がありますが、この本はそれ以上に「働くということ」という点についても深く問題提起されています。

主人公のバンシルは何度も挫折しながらも、黄金法則や5つの真理を惜しみなく使って何度も立ち上がります。

そのバンシルのバイタリティに心打たれました。

少しの失敗でもイラッとしたり不貞腐れたりすることも多いですが、そんな理不尽なこともすべて受け止めて、笑い飛ばしながら前に進む器が欲しいと感じます。

 

お父さん
お父さん

道を見失いそうになったときには、何度でも読み返して初心に戻るための本として手元に置いておきたい本でした。

 

ではまた!

 

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