こんにちは、かばです。
みなさんが日本に住む上でもっとも大切なことは何だと思いますか?
それは「法律」だと私は思います。
この国は、王様や天皇が治める国ではなく、法律が国を治めているからです。
今回は、法律にまつわる以下の内容で書いていきたいと思います。
- 法律を知っておかないとデメリットが多い
- 法律を学ぶことはメリットばかり
- どうやって法律を勉強すればいいのか
法律を学んでおかないと危険な理由2選
法律を知っておかないと社会というフィールドでは戦えない
たとえばサッカー選手がサッカーのルールを知っているのは当然ですよね。
- サッカーボールは手で持ってはいけない
- 相手のゴールにボールを入れる
- 反則をしたらペナルティを受ける
これらのルールを知らずにサッカー選手はコートに立てません。
日本で生活する私たちも同じことが言えます。
日本は法治国家(王様など権力者ではなく法律が国を治めること)です。
日本のルールは、法律という形で決められています。
普段の生活をしているだけでは、必ずしも法律を知らなくても生活できるかも知れません。
しかし、実際は法律行為を日常的に全国民がしているものです。
- コンビニやスーパーで買い物:民法
- 信号を守る:道路交通法
- 有給休暇を取る:労働基準法
- 他人を殴らない:刑法
当たり前のこともすべて法律に規定されています。
裏を返せば、国民の行動は膨大な法律の中のどこかに認められているのです。
しかし、法律にはやってはいけない犯罪などの行動も規定されています。
知らないうちに犯罪をしていた場合、許されるのでしょうか?
答えはノーです。知らないことは言い訳になりません。
法律には「法の不知はこれを許さず」というものがあります。
これは、法律を知らなかったからといって責任から逃れることはできない、すなわち法律を知らないのは自己責任であることを意味します。
「歩行者だから事故の責任に問われないと思っていた。そんな法律があるなんて知らなかった」
このような言い訳をしても無駄です、きっちり責任を取らされます。
また、税金や労働のルールは私たちの日常に密接な繋がりがありますよね。
- 税金のルール:税法など
- 労働のルール:労働基準法、労働契約法など
「税金が高い!」「給料が安い!」と会社を責めても無駄です。
税金に関しては税法でがっちり固められていますし、給料に関しても最低労働賃金を定めているのは法律や条例(都道府県などが作る法律のようなもの)だからです。
そして、法律は国民の代表である国会議員が作っているわけですから、私たち国民は自分たちが作ったルールで自分たちを縛っていることになります。
法律を改正する法律も存在しますが、少なくとも今ある法律を最低限知っておかないと、私たちは知らないところで搾取されますし、その事実にも気付かないまま過ごすのです。
自分の倫理観やマナーが社会のルールだと信じてはいけない
日本の社会のルールは、日本の法律のことを指します。
もう一度、先ほどのサッカー選手の例でみてみましょう。
- ハンドをした選手「俺は手でボールを投げたいんだ!ハンドなどというルールはおかしい!」
- ファールをした選手「あいつが俺を笑ったから殴った!悪いのはあいつだ!殴って何が悪い!」
サッカーをしに来ているわけですから、サッカーのルールに則って試合をしなければいけません。
ゲームではルールこそが絶対であり、個人の主義主張が通ることはありません。
日本は外国に比べて、他者との協調を大事にしますから、倫理観やマナーで多くの場合は解決します。
しかし、倫理観やマナーが時として暴走することがあります。
- マスクをしない人に「マスクをしないなんてマナー違反だ!」と怒りをあらわにする
- 通勤電車にベビーカーを持ち込んだおかあさんに「周りの迷惑だろ!」と怒鳴る人
- 緊急事態宣言下で飲みに行った国会議員に対して「税金泥棒だ!」と言う人
周りに迷惑をかけるかもしれませんが、違法行為ではないのは分かりますよね。
倫理観やマナーなんてものは、個人の主観でしかないものがほとんどです。
ところが、あたかもそれが国民の民意とでも言わんばかりに、正義の主張をしてしまう法的に無知な人が多いのです。
実際は、そのような発言そのものが、侮辱罪や名誉毀損罪に該当する可能性があるので捕まるのはその人だったりしますが。
いずれにしても、法律が求めているのは社会的秩序です。
社会的秩序は、個人の主観で成り立つものではなく、多くの国民の意見であることは忘れてはいけません。
法律を知れば、そのような身勝手な主張をする人に対して以下のように思うことができます。
法律を学ぶことのメリット3選
論理的思考力が身につく
社会に出たら論理的思考力が重要だとよく言われますが、その通りです。
なぜなら、社会で起こる問題解決の手段としては、論理的に理論を組み立てて解決する以外には使い物にならないからです。
特に、人間の主観や恣意的評価が含まれた理論などは、多分に矛盾しているためゴミ以下と言っても過言ではありません。
法律を学ぶと論理的思考力が身につきます。
その理由は、法律というものが「法的三段論法」で説明されるからです。
法律三段論法とは、①大前提(条文・判例)、②小前提(解釈・規範)、③あてはめ、という流れで理論を展開していくことです。
日常的に使うことはあまりないかも知れませんが、物事の考え方はフェーズの推移によって焦点を絞っていくという思考は日常生活でも役に立ちます。
例えば、
- 議論となっている主張をそれぞれ並べる
- それぞれの主張の本質的な部分を洗い出す
- 本質を崩さずに全員にメリットのある手段を考える
というような流れです。
ポイントは、一見異なる主張をしているようでも、枝葉を削ぎ落として本質の部分まで洗い出してしまえば言いたいことは同じだったりするわけです。
法律論というのは、様々な枝葉が無数にくっついている事件を、幹だけの状態にして本質論で物事を考えることが多いです。
法律の条文自体も、「なぜこのような法律があるのか?」という本質論まで遡れば、多くの法律は共通の価値観で作られていることが見えてきます。
では、これが社会に出た時に何の役に立つのかと言うと、例えば以下のようなケースで重宝されます。
- 業務上の問題が生じたとき、問題の本質まで迫って最適な解決方法を提示できる
- 取引相手の悩みや要望を、もっとも望んだ形で叶えてあげることができる
- 問題の本質を見極めて、利益をあげることができる
また、説得的に話をするわけですから、相手にとっても聞きやすいし納得もしやすくなるでしょう。
このように、法律を学ぶことで自然と論理的思考力が身につきます。
行政システムをうまく利用できるようになる
日本という国は、実は国民の利益になるような制度がとても多く存在します。
- 助成金
- 補助金
- 支援金
これらの中には、返済不要の給付型のものも多いほか、返済を必要とするものであっても「担保なし」「利息なし」というように、借りる側が圧倒的に有利な条件で貸し付けてくれるものが多くあります。
ただ、これらの制度を利用するには、大きなハードルをいくつか超えなければいけません。
- 制度を見つけづらい:行政は教えてくれない
- 制度の内容が分かりづらい:申請要件が複雑
- 申請に必要な書類が多すぎる:申請者が信用できるかを判断
- 実際の給付までの流れが難解:システム上複雑なものがある
これらのハードルを超えるには、法的読解力が必要となります。
法律を学んでいないと、このような申請はプロである行政書士や司法書士に依頼することになりますが、数万から数十万円を支払うことになります。
法的読解力を身につけると、これらのような申請を自分でできるのみならず、会社の設立や登記まで自分ですることができるようになります。
メディアリテラシーが身につく
メディアリテラシーとは、民主主義社会におけるメディアの機能を理解するとともに、あらゆる形態のメディア・メッセージへアクセスし、批判的に分析評価し、創造的に自己表現し、それによって市民社会に参加し、異文化を超えて対話し、行動する能力である。また、用語としてのメディア・リテラシーはメディア・リテラシーの実践や運動を含む。
ニュースや新聞の報道などは日常的に目にするものですが、これらのほとんどは視聴者の興味に合わせて制作しています。
事実を報道しているかどうかではなく、視聴者が見たいもの、視聴者が聞きたいことを流しているに過ぎません。
- 国会議員は高い給料もらって豪遊していてけしからん
- 公務員は仕事もしないのに威張り散らしている
- 会社の社長というのは仕事もせず従業員にばかり働かせる
- 株式投資などというものはギャンブルだ
こういう国民が持っているであろう意見を流し、視聴者が「そうだ!」と言ってもらえる報道をするわけです。
なぜなら、そうすることで視聴率が取れ、スポンサーが喜ぶからです。
そのような偏向情報をすべてシャットアウトするということもできますが、ネットニュースも含めて完全に遮断するのは難しいと思います。
大事なのは、情報を鵜呑みにせず、批判的に報道を受け止め不要なものはしっかり削除していく思考が必要です。
残念ながら、高齢者を中心に「テレビが言っていた」と報道を鵜呑みにしてしまう人は多くいます。
しかしそれでは、いつまで経っても精神的に豊かにはなりません。精神的に豊かでない人は、不安に煽られ購買意欲を増し、不要品を買うという悪循環に陥ります。絶対に避けましょう。
法律を学ぶということは、物事の本質を見破る技術を修得するのみならず、論理を多元的に展開する力を手に入れることでもあります。
ワイドショーなどを見るに、感情論と法律論などをごっちゃに報道しているものも散見されます。
情報は鵜呑みにするのではなく、その背景を見極め批判的に受け止めていくことが、法律を学ぶことで可能になります。
番外編:法律を学ぶデメリット
話が長くなります…
法律の勉強はどうやるの?
法律を勉強するといっても、難しいことをするわけではありません。
六法を読もうなどということは言いませんし、おすすめしません(絶対に心が折れるから)
おすすめは入門書を読んでいくことです。
実は法学と言っても、本来は日本人が読んで理解できるように作られていますから、入門書を読むだけである程度は分かるようになっています。
▼法律を作っていた側の人が書いている珍しい法律系ビジネス書です▼
▼法学部生が最初に学ぶレベルで書かれています▼
▼生活の身近な法律問題を分かりやすく解説しています▼
法律というのは、生活の至るところに散りばめられています。
テレビや新聞で報道されていることもそうですが、警察の職務質問や税務署の調査からスーパーやコンビニでの買い物まで、すべて法律行為なのです。
そのような、当たり前のように行っている行動を、一歩立ち止まって「どんな法律なんだろう?」と調べたり考えたりすることで法律の勉強は進んでいきます。
決して一朝一夕で身につくことではありませんし、地味な勉強ではあります。
だからこそ希少価値が生まれ、法律を学んでいる人は社会で重宝される存在となっているわけです。
まとめ:法学は義務教育にしてもいいぐらい必須科目
日本のシステムはすべて法律で構築されています。
その法律を知らずに日本で生きていくということは、サッカーのルールを知らずにフィールドに立つのと同じぐらい危険だということです。
法律自体は、もともとは日本人の感情からヒントを得て生まれるものではありますが、感情論と法律論は大きく異なるのできっちり立て分けが必要です。
また、法律を知っていけば多くのメリットが得られます。
何と言っても法的思考力を身につけると、日常の仕事で大いに役に立ちますし、周囲からも間違いなく信用されるでしょう。
さらに、国が用意してくれているサービスを遺憾なく利用することができ、利用できない人と大きく差別化することが可能です。
そして、法的思考力を身につけることでジャンクな情報をシャットアウトし、必要な情報のみを正しく受け取ることができるようになります。
私個人としては、それほどに重要な法律をなぜ義務教育に含めないのかという気持ちもあります。
しかし、実際に教えてくれない以上は、自分で学んでルールを覚えていくしかありません。
日本のほとんどの人は、法律というルールを知らないので、知っているだけで有利に振る舞うことができます。
ぜひこれを機会に、法律を学んでみてほしいと思います。
ではまた!
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