このブログを始めたきっかけは、長女の誕生でした。そしてその3年後、2024年に双子の女の子が生まれ、我が家は女の子3人の家族になりました。
子どもが生まれる前の私は、時間のほぼすべてをお金に向けていました。貯める、増やす、そのことだけを考えて生きてきたと言っても過言ではありません。その姿勢は今も変わっていませんが、考え方は大きく変わりました。
お金はいつでも貯められる。でも、子どもとの一瞬一瞬は、二度と戻ってこない——。
そう実感するようになったのは、双子の三女が生まれてすぐに命の危機に直面したことがきっかけでした。
生死の境をさまよった、三女の話
双子の妹の方が、生まれてすぐにB型溶血性連鎖球菌(GBS)に感染し、髄膜炎を発症しました。救急搬送され、一時は生死の境をさまよいました。
その後、重い後遺症が残り、ウェスト症候群(指定難病145号)という病気も発症することになりました。
2歳になった今も成長はゆっくりですが、最近は少しずつ良い変化も見えてきています。毎日の発作と向き合いながら、私たち家族は今日も前を向いています。
ウェスト症候群とはどんな病気か——同じ境遇の親御さんへ
ウェスト症候群という病名を聞いたことがない方も多いと思います。私自身、娘が発症するまで全く知りませんでした。同じ状況にある親御さんに向けて、少しだけ説明させてください。
ウェスト症候群とは
ウェスト症候群は「点頭てんかん」とも呼ばれる、乳幼児期に発症する重症難治てんかんです。主に生後3〜11ヶ月に発症し、全小児てんかんの約5%を占めます。日本には少なくとも約4,000人の患者がいるとされています。
診断の3つの特徴があります。
- 特異な発作パターン:5〜10秒ごとの短い筋肉の動き(頭を前に倒す・両腕をバンザイするなど)が繰り返される
- 特異な脳波パターン(ヒプスアリスミア):混乱した高振幅の異常脳波
- 発達の停止または退行:発作出現とともに、それまでできていたことができなくなる
「モロー反射と何が違うの?」と最初は戸惑う親御さんも多いです。反射は刺激で起こり1回で終わりますが、発作は刺激なしに何度も繰り返されるのが特徴です。気になる動きがあればスマートフォンで動画を撮影し、医師に見せることが早期診断につながります。
治療について——早期治療が予後を大きく左右する
ウェスト症候群の治療において最も重要なのは、発症から1ヶ月以内に治療を開始することです。早期治療により予後が大幅に改善する可能性があります。
主な治療法は以下の通りです。
- ACTH療法:副腎皮質刺激ホルモンの筋肉内注射。50〜80%で発作を抑制する第一選択治療
- ビガバトリン:経口薬。ACTH療法が効かない場合の選択肢(定期的な眼科診察が必要)
- ケトン食療法:糖質を極限まで制限した食事療法。ウェスト症候群で特に効果が高く、1ヶ月以内に約90%で何らかの効果がみられるとの報告もある
- 抗てんかん薬:バルプロ酸・レベチラセタムなど
支援制度——一人で抱え込まないために
ウェスト症候群は指定難病145号に指定されており、医療費助成を受けることができます。また、18歳未満であれば小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象にもなります。これらを組み合わせることで、月々の自己負担を大幅に抑えることが可能です。
さらに、知的障害や運動障害が残った場合は療育手帳・特別児童扶養手当(月額最大53,700円)・障害児福祉手当(月額15,690円)なども申請できます。診断を受けたら、まず地域の福祉事務所や保健所に相談することをお勧めします。
また、ウエスト症候群患者家族会(サイト:ウエスト症候群.jp)では、同じ経験を持つ親御さんとのピアサポートや情報交換が行われています。一人で抱え込まず、つながることが大切です。
長女のこと——「障害があるから不幸」ではない
現在5歳の長女は、軽度障害という判定を受けており、言語の遅れがあります。おそらく2〜3歳程度の言語能力、といったところです。
だからといって、不幸だとは思っていません。本人にもそう思ってほしくはない。
言葉があっても争いの種をつくる人もいれば、言葉がなくても自然と人が集まってくる人もいる。大事なのは能力の有無ではなく、どんな人生を歩むかだと、私は思っています。
謙虚に、素直に生きて、人々に愛される人になってもらいたい。それが、親としての願いです。
毎日が戦場。でも、それが今の幸せ
3人の子どもを抱えた日々は、正直なところ「何かを考える余裕がある」という状態ではありません。1日1日をこなすのが精一杯——それが本音です。
私たち夫婦は40代で3人の子どもを授かりました。体力的にきついことも多い。24時間、寝ているとき以外は何らかの形で子どもたちのために時間が費やされています。それでも、いつかこの日々がかけがえのない思い出だったと言える日が来ると信じて、今日も前に進んでいます。
幸いなことに、今はAIに話しかけるだけで記事が書ける時代になりました。だからこそ、こうして日々の思いを言葉として残せるようになりました。それがこのブログを再開したもう一つの理由でもあります。
障害があっても、幸せになれる——私の持論
障害があるから不幸、ということはない。これが私の確信です。
障害がなくても不幸になる人はいます。逆に、障害があっても良い人たちに囲まれ、人間関係に恵まれ、幸せに生きる人もいます。少なくとも日本には、どんなハンディキャップを持っていても幸せに暮らせる土壌があります。
親として残せるものは最大限残していきたい。でも最後は、どんな人たちと出会うかが極めて重要だと思っています。だから私たちにできることは、子どもたちが良い人たちに出会えるような人生を歩んでもらえるよう、心を尽くして接することではないかと。
時間の使い方が、180度変わった
子どもが生まれる前と後で、時間の使い方が変わったかと聞かれたら——180度変わったと答えます。
自分のことしか考えていなかった私たちが、自分たちを後回しにして、子どもたちを最優先に考えるようになった。それは不幸なことではなく、人間として大きく成長させてもらったことだと思っています。
子どもがいなければ、一生味わえなかった感覚です。得られなかった経験です。成長できなかったことです。
そしてふと気づきます——きっと自分たちの両親も、同じことを考えていたんだろう、と。子どもが生まれるまで、そんなことを想像すらしていませんでした。
可愛いんだから、仕方がない。それだけのことなのかもしれませんが、それが全てでもあります。
このブログは、いつか子どもたちに読んでもらうために書いています。大きくなったとき、パパがこんなことを考えていたんだと知ってもらえたら、それだけで十分です。
ウェスト症候群や障害児育児について、同じ境遇の方がいればぜひコメントやSNSでつながってください。一人じゃないと、少しでも感じてもらえたら嬉しいです。


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